第107話 常識人ポジ

「え!? 俺もこっちで寝るの!?」


「クロエさんがキミヒトさんを独り占めはずるいって可愛い焼き餅を焼いてたんです」


「それなら仕方ないな」


「ちょっと!? フラフィーあなた最近調子に乗ってるでしょ!」


 クロエがいつの間にか起きているフラフィーにつかみかかってガンガン揺らしているがフラフィーはとても楽しそうにしているので良しとしよう。完全に極まって青ざめているが俺には楽しそうに見えるようん。


 しかしクロエがその提案していたという事はまじでその線あるな。たまらん。


 俺が一人部屋で寝ているメリットとデメリットを正確に感じ取れるのはクロエくらいだろう。イリスは誰がいようと気にせず特攻してくるだろうしフラフィーは提案しても聞き入れられないし二人に阻止されるから論外。


 フラフィー可哀想だな?


 というわけで俺がみんなに襲われない様にしつつみんなが争わない様にするにはこれが最適の形。修羅場作ってもいちゃいちゃを取ろうとした俺とは全然違う。まじいい子惚れる。


「クロエ抱っこしてやろうか?」


「今はそう言うのいいからっ!」


 めちゃくちゃ父性を刺激されてしまったので穏やかな笑顔で提案したら断られた。照れてるかわいー。クロエがいじられてるのまじ楽しいな。


 フラフィーもなんか調子に乗ってるからこれからはクロエいじりが流行るかもしれない。最高じゃねえか。


「くっ、流石お姉ちゃん。ここまで読んでいたか」


「イリス? ねえ煽ってる? 煽ってるのよね?」


「尊敬してるよ、墓穴掘ってて笑うけど」


「バインド」


「なんで私も!?」


 イリスとフラフィーはがんじがらめにされてしまったが眼福なので俺は注意をしない。縛られている幼女を見るのも慣れてきたし新しい性癖を生み出せそうだな。


 緊縛ロリ観察みたいな感じの。あるのかそんな性癖。


「キミヒト、もらってきたの?」


「え、ああうん」


 イリスが縛られながらも平然と尋ねてきたのでちょっとビビった。叫び声も挙げないし落ち着きすぎだろ。っていうかイリスがクロエいじるのも新鮮で良い。


 なんでロリの戯れってこんなに見てて幸せな気持ちになるんだろうな。あわよくば監視カメラとか置いといてじっくり観察したい。


 そういえば通信機なるものもあるし映像記録するためのアイテム絶対あるだろ。やべぇ俄然テンション上がって来たぞ。


「じゃあキミヒトさん! 今日の夜のご予定は!?」


「え、あーうん。もらってきたけど全部ロンドにあげてきた」


「ばかな」


 フラフィーとイリスが凄いショックを受けた顔をしていたがクロエは安心したような顔をしていた。この二人のイケイケモードについていけなくなっていたんだろうな。


 常識人ポジであったはずのフラフィーがこの前から吹っ切れてガンガン来るようになったから必然的にクロエの心労が増す。ジト目も良いしお姉さんらしくも振る舞えるし疲れてどよんとした顔も見れるしクロエまじ強い。


 あと精力剤は怖いので封印しておこうと思う。必要になる時が来るまで。


 この二人の勢いを見てると毎日要求されそうで怖すぎるんだよな。そもそもこの精力剤の強さも知らないし場合によっては数日効果ありますとかだったら普通に死ぬ。


 知ってる? 興奮しすぎると腹上死する確率あがるんだよ? ロリとする時の背徳感による興奮凄いんだよ? 知ってたら怖いが。


 通常状態で行えば死ぬリスクは限りなくゼロに近いけど、何か特別な状態、例えば不倫とか非日常的な興奮度合いが高まるとそう言ったリスクが高まるの。症例では腹上死の七十パーセント以上が不倫によるものだと聞くよ。


 ロリとする時に俺の興奮は常にマックス状態だしそんな状態でこんなやばそうな薬使ったら本気で死んでもおかしくないと思うんだ。


 それが三人と同時になったら……うん本当に死ぬんじゃない? 幸せ死って嬉しいけど死ぬなら相手と一緒がいいからね。いや重いなこの発言は。


「キミヒト、ちょっと」


 そんな取り留めのないことを考えているとクロエが俺を引っ張り部屋の外に連れていく。なんかアイドル服着てるロリに引っ張って連れていかれるとかロリコン冥利に尽きるな?


「キミヒト、勝手に決めたのは悪かったけどあそこはああするしかなくて、ごめんね」


 なんかよくわかんないけどクロエが謝って来た。俺そんなにショックな顔してたのか? くっそ可愛いなどうしよう頭に顔うずめて思いっきり息吸い込みたくなるわ。


「俺もかなりやばい現状だからどうしようかと思ってたし丁度良かったよ。ありがとなクロエ。あと言い忘れてたけどその服着てくれて嬉しいよ」


 俺が褒めるとクロエは頭を下げたまま動かなくなってしまった。照れてるなこいつマジ可愛いわ。みんなに対する愛おしさがたまらなさすぎて女神様の話忘れそう。


 俺気づいたら家買ってロリ達と生活してたとかにならないかな。え、大丈夫かな俺。


 というかなんでクロエは俺を連れだしたんだ? これを言うためだけなわけないしもしかして愛してるって言って欲しいとかそういう感じだろうか。


 いやでも改めて言うとなるとめちゃくちゃ照れるぞ。催促されているわけでもないしさっき言われてないって落ち込んでたから間違いではないと思うけど。


 こう色々とムードがあるというかなんというかほら。でも照れてるクロエに追い打ちかけるの楽しいから言っちゃお。


「クロエの事もちゃんと愛してるよ」


「……ばか」


 どんっとちょっと勢い付けて頭を押し付ける感じで胸に飛び込んで来た。これ好き。幼女特有の軽さを感じられるこのシチュエーション最高に大好きだよマジで。


「で、クロエは言ってくれないの?」


「私も……あい、してる、わ」


 精一杯もごもごしながら喋るのたまんねえな。これだけでご飯ずっと食えるわ。性欲じゃない欲求も凄い勢いでこみ上げてくるわ。


「あのー、そういったことはせめて部屋でやってもらえませんかね?」


「ティティ!?」


 俺とクロエのいちゃいちゃをティティは途中から見ていたようだ。クロエは盛大に距離を取って取り乱していたが俺にはわかっていた。というかティティに見せつけたい気持ちもあった。特に意味はない。


 クロエは気づかないくらいに照れていたんだろうな。いつものクロエらしくなくてどうしたらいいのかわかんな過ぎて愛することしか出来ない。


「ティティも抱きしめてやろうか?」


「間に合ってますよ。そんなことより食器さげさ」


「間に合ってる!? え、ティティ誰かと付き合ってるの!? まじで! ちょっと詳しく頼む本当にお願いします教えてください!」


 ティティの問題発言に食いつかざるを得ない。


「こわ……。いやそういう意味じゃなく……いえキミヒトさんには関係ありません。仕事させてください」


「ちょっと待ってて」


「なんなんですかこの人ほんと」


 ティティに言われたのでちゃんと食器をまとめて持ってくる。ティティはロリだし家の仕事のお手伝いしてるというオプションもついてとても良い感じ。


 これで突っ込みも出来てジト目持ちとか最強の一角だと思う。世が世ならサブヒロインとして人気投票上位に食い込んでる。俺が投票する。


 なんで家のお店を手伝ってる女の子ってメインヒロイン感無くなっちゃうんだろうか。偏見だけども。


 食器を返す時に部屋の中で転がってる二人を見られてさらにやべえ顔で見られたのでとても嬉しかったです。

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