少し昔、「眠らない街」がありました。
少し昔、「眠らない街」がありました。
高層ホテルと劇場と、大きなショッピングセンターがある街です。
市街地の中心部からは外れていましたが
新幹線の駅が近くにあって、「市の新しい観光スポットになる」と
それはとても注目をされていました。
ショッピングモールは飲食店だけでなく、ブティックや女性が好む小物店も
24時間営業です。
若い女性は最終電車で買い物に行き、そこで食事をして、始発で帰宅しました。
高い塔のような高層ホテルのエレベーターは鉄道からもよく見えて、人々はそれを見て、電車の中で「おぅ!」と声を上げたものでした。
不夜城という言葉がありますが、そこは正に不夜城で、永遠の栄華が続くように
思われていました。
しかし、バブルの崩壊と阪神淡路大震災によって、この不夜城は破滅します。
ホテルの経営者は他者に渡り、店は24時間営業どころか畳む店も現れて
今はシャッター街となってます。
ホテルと劇場の経営だけは続いていますが、あまり市民の話題に上ることは
ありません。
もし、震災がなかったとしても、今の世の中、普通の小売店が24時間営業だなんて
きっと無理でしょうね。
夜は人間にとって、本来眠るためにあります。
夜勤のあなたも勉強中のあなたも、いつか健やかな夜の眠りに着けますように…
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