第10話 わたしたち夫婦について Part 3 「浪費癖は見ないフリ」
わたしたち夫婦についてのpart 3。夫のお金の問題について。
順風満帆の結婚生活でしたが、私には大きな気がかりがありました。彼と私の経済感覚がまったく違っていたのです。
わたしは共働きのあまり裕福ではない家庭で育ちました。幼い頃から必死に働く両親の背中を見て育ち、働いて貯めても楽にならない生活というものがあるのを身にしみて知っていました。
両親とも贅沢を好まなかったせいか、わたしもブランドものや高価なアクセサリーにはまったく興味なし。両親が懸命働いて貯めたお金で留学し、卒業できたので、卒業後は絶対親に負担をかけないと肝に命じていました。
一方彼の父親はオハイオ州で整形外科医院を営んでおり、彼は裕福な家庭でなに不自由なく育てられました。オハイオの学生時代もその当時の学生には珍しく、自分の車を持っていたし、ブランドの服や時計が大好きでした。
就職後は、自由に使えるお金ができたせいか、車の改造や楽器など、趣味にかけるお金がどんどん増えていきました。
散財、浪費癖はなかったものの、実は私もお金の管理が苦手で、家計の管理は英語が母国語だからという理由(言い訳)ですべて夫に任せていました。
後に買い物依存症であったことがわかったのですが、夫はネットショッピングで次から次へと不必要なものを買い込んでいました。
購入したものは私にわからないよう、オフィス宛に郵送させていたようです。それでも自宅の彼の一室に物がドンドン増えていくのは一目瞭然で、彼の浪費癖について私が話し合いの場を設けようと試みたことは何度もありました。
ただ、彼はお金のことになると口を閉ざし、自分の殻には閉じこもってしまうことが多く、話し合いになりませんでした。
彼の心のなかに大きな空洞があって、物を買う事でその空洞 を必死にふさごうとしている感じがしました。
彼の実家が裕福で、義理の両親が彼のために貯蓄と投資をしているのを知っていたので、彼の買い物の資金はそこから来ているのであろうと憶測し、わたしも問題解決を回避していました。
今、思い返してみると、大切な事を面と向き合ってきちんと話し合うことが怖くもあり、面倒でもあったのです。
次回は、出産後からのわたしたち夫婦の関係の変化について書きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます