昨日のこと(5)

 そういうところがもともと同質だからいっしょになったのか、それともいっしょにいるうちにそうなってきたのか。それはどちらでもあるでしょうし、どちらかだけではないのでしょう。


 ただ、たぶん私も彼も慣れてはきたけどそうとう「むつかしい」ひとで、だからときおりこういうことが起きて、

 でもたぶんお互いに「自分といっしょにやれるなんて、すごいひとだ」っていうところは、気持ちは共通してるのかなあって思うと、やっぱり、あらためていとしさがこみあげました。



 なのでその日の最後に私は座った彼の目の前で居住まいをすこし正して、言いました。



「普段普通に過ごしているから忘れがちだけど、やっぱり私たちはお互い、むずかしいんだよ。むつかしいんです。きみも、そうとうわかりづらいし。でも私といるのも……大変なことだって思うし……。大変なことを、しているね」




 本音、そのものです。

 結婚ってやっぱりただでさえ大変です。

 どの結婚だって多かれ少なかれそうだと思います。




 そのうえで、私たちは、やっぱり私たちが結婚したから、大変なんだなって思います。



 でも、そのうえで。その日は、けっきょく私もぱっぱか寝支度をして、彼とおなじタイミングに床に入りました。

 気まずくはなったし、正直納得しきれてないところやのみこめきれてないことも、あるけれど。





 結婚特有の、生活をともにするというしんどさはあれど、やっぱり最後はおんなじところで、となりで寝たりできるってこと。

 結婚って、ほんとに大変で、これからもきっと知らない苦労がたくさん起きる。



 でも、やっぱり結婚してよかったなあ、と思いました。

 私たちの結婚は、まだはじまったばかりです。だから、私は、結婚生活のことをいちいち素直にしるしていきたいのです。というわけで「今日のおもしろい夫」、すこしスタートの日付は遅れてしまいましたが、あらためまして二月のおもしろい夫といちおうの妻の私もよろしくお願いいたします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る