第3話:紅蓮の目覚め

【sideみんちゃす】


涙目のめぐみんにすがりつかれ、ララティーナには右手を握りしめられ、アクアには膝枕された状態でカズマがようやく目を覚ました。周囲への警戒は続行しつつも、俺は安堵の息を漏らす。

「……あ、やっと起きた?ったくあの子は、相変わらず頭固いんだからまったく」

カズマが目を覚ましたことにめぐみんとダクネスが気が付き、二人は無言で俺を抱き締めてきた。照れてるのか顔を上気させるカズマに、何やらアクアがにやにや笑みを浮かべながら、

「ちょっとカズマ、照れてないで何とか言いなさいよ。私達に何か言う事あるでしょう?」

そんな事を宣った。……いやまあ、確かにカズマが甦れたのはアクアのおかげなんだろうけどよー……どうしてこいつはこう感謝したくなくなる物言いしかできねーんだ?

カズマも俺と同意見だったらしく、とても冷めた眼差しで、

「女神、チェ~ンジ!」

「っ!? 上等よこのクソニート!そんなにあの子に会いたいなら、今すぐ会わせてあげようじゃないの!」

「や、止めろお!死に戻った人間に乱暴するなよ暴力女神!」

額に血管を浮かべたアクアが叫び、カズマ目掛けて殴りかかる体勢に入るが、

「みんちゃす式殺法その1・向こう脛崩し」

「!?……痛あ‘’あ‘’あああっ!?」

俺に向こう脛を蹴飛ばされ、しばらくその場にころげまわりながら悶絶してから、泣きながら俺に食ってかかる。

「いきなり何すんのよみんちゃす!?『あっ、折れた』と思うくらい痛かったんですけど!」

「この辺りはまだ奴のテリトリーだってこと忘れんなバカタレ。まだ安全とは言い切れねーんだから遊んでんじゃねーよ。……それでカズマ、どっか調子悪い所とかはーのか?」

俺の確認を受けたカズマは、改めてペタペタと自分の体をあちこち触る。

「一応大丈夫そうだ。……そういえば、俺はどうやって殺されたんだ?」

その質問には涙目で脛を擦りながらアクアが答えた。

「あんた、冬将軍に首ちょんぱされたのよ。いやぁ、それはそれは見事な切り口だったわ。おかげでピタリとくっついたし、修復も簡単だったわね。多少は血液も回復したけれどまだ血が足りないから、しばらくは激しい運動をすると貧血起こすからね?」

「首ちょ……!」

絶句しつつ自分の首筋を手で撫でるカズマ。手で触っても傷跡が残っている様子は無いが、やがて自らの血で赤く染まった雪原を黙視し青ざめる。

「……今日はもう撤収しよう」 

「そうだな、大事をとってここは引いておくべきだろう。が、その前に……」

俺はララティーナへと歩み寄り、

「……ん?どうしたみんちゃ-」


その横っ面をひっ叩いた。殺意を籠めた渾身の力で放つ豪傑無双烈破ではなく、威力を抑えた普通のビンタで。


「え………え?」

あまりに唐突なビンタにドMにしては珍しく、どうして叩かれたのかわからず呆然としている。他の三人もどうやら同じ気持ちらしく困惑した視線を俺に向けてくるが、俺は構わずララティーナを睨む。

「テメー……さっき何故すぐ頭下げなかった?カズマは何かと世間知らずなとこがあるし、冬将軍のことも知らなかったようだから仕方ねーがな……テメーは知ってた筈だ。冬将軍が今の俺達の手に負える相手じゃねーことも、ちゃんと礼を尽くせば見逃してくれることも。……にもかかわらず、どうして無謀にも立ち向かおうとした?あー?」

「わ、私は騎士だ!騎士の私が、モンスター相手に頭を下げるなど……!」

「ふざけんなボケが」

ララティーナのその戯言たわごとに、血が沸騰したかのような激情が俺を覆い尽くし、そのまま怒りに任せて馬鹿の胸ぐらを掴み上げる。

「騎士の本分てのは誰かをを守ることだろーが。脅威から身を呈して庇うにしろ、脅威そのものを討ち滅ぼすにしろ、他者を守ろうとする志を持ってる奴こそが騎士だと、以前テメーも言ってたが……それで、さっきのテメーが守ろうとしたのは仲間か?」

「そ……それ、は……!」

「違うよな?さっきテメーが守ろうとしたのは、テメー自身のくだらねー自尊心プライドだ。仲間の危険を省みず、そんなちゃちなモンに固執するようなテメーが騎士だと?……ハッ、笑わせんじゃねーよこの似非者えせものが!」

「え、似非……!?」

激昂する俺に、ようやく硬直から復活したカズマとめぐみんが仲裁に入ってくる。

「お、おいみんちゃす……流石に言い過ぎじゃ-」

「みんちゃすが怒る気持ちもわかりますが、ダクネス一人を責め立てるのは-」

「オメーらは黙ってろ!」

しかし俺に凄まれて再び硬直する。まだ駆け出し冒険者のこいつらに、全開にした俺の殺気に耐性がある訳がない。

それにしても、不愉快……不愉快不愉快不愉快不愉快不愉快!そのツラが……その声が!こんな奴があの人の生き写しという事実が、どこまでも俺の神経を逆撫でしやがる!

「虫酸が走るんだよ……テメーみたいなふざけた輩が、一端の騎士面してるのはな!」

俺はララティーナの胸ぐらから乱暴に手を放し、吐き捨てるように言い放った。

「悪いが今後しばらく、俺はオメーを騎士とは扱うつもりはー。……それが不服だってんなら、もう一度オメー自身を見つめ直すんだな」

そして四人に背を向け、そのまま歩き出す。

「お、おいみんちゃす!どこ行くんだよ!?」

「オメーらだけで先に帰ってろ。俺はその辺で適当にイラつきを発散させてから帰る」








「……チッ、あぁムカつくムカつくムカつく……!」


カズマ達と別れてから俺はあるものを探しながら、内心で絶えず渦巻き続ける苛立ちの原因を自己分析する。

原因は大きく分けて三つ。

一つ目は勿論あの騎士失格のバカ女の愚行のせいだが、二つ目は他でもない、自分自身に対しての苛立ちだ。

さっきは怒りに任せて偉そうなご高説垂れたが……我ながらダサ過ぎて吐き気がする。みすみすカズマを殺されたのは俺の責任でもあるし、アイツをとやかく責める資格などーってのによ。

そもそも冬将軍なんて化け物と遭遇しかねないこのクエストを受けること自体無謀なんだ。

もう少し早くカズマに撤退を提案しておけば、このクエストのリスクをちゃんと説明しておけば、そもそもこんなクエストを受けるのを止めていれば……いや、今さら考えても仕方がない。時計の針は決して戻らない。

魔王軍幹部の一角を落としたことで、自分でも気付かねー内に浮かれて増長して天狗になっていたことが原因で起きた、永遠に消えない俺の失態きずあとだ。……だけどだったらだからこそ、せめて最低限の埋め合わせだけでもするべきだろう。


原因の三つ目……俺の仲間に手を出したクソボケを八つ裂きにしてな。


「ようやく見つけたぜ……手間かけさせやがって」

たった今俺の目の前には、冬将軍が現れるや否やいつの間にか姿を消していた、雪精達がフラフラと暢気に漂っていた。

「『パワード』、『プロテクション』、『ラピッドリィ』、『マジックゲイン』、『マジックガード』……『フレイムウエポン』」

強化魔法で万全の準備を整えてから、俺は『ちゅーれんぽーと』に炎を纏わせ、雪精達を横一文字に斬り払った。本来ならこんな雑魚共相手にこの剣を振るいたくはねーが、アイツが有無を言わさず斬りかかってきても対応できるよう、予め抜いておくべきだと判断した。


舌の根も渇かねー内に雪精狩りを再開したことでお目当ての相手、冬将軍はすぐに表れた。

俺が懲りずに雪精を狩りに来たことで、完全に殺気立っているのが一目でわかる。


……だけどな、


「ブチ切れてんのはこっちも同じなんだよボケが!たかがモンスター風情がよくも俺の仲間斬り殺しやがったな!テメーの命で落とし前つけやがれ!火焔竜演舞!」

我ながら清々しいほど理不尽なことを言いながら、俺は高速で『ちゅーれんぽーと』を振るい、冬将軍目掛けて斬撃の業火を放つ。上級魔法を軽く凌駕し、リッチーの魔法防御すら真っ向からぶち破った竜帝の剣技を…


冬将軍は冷気を纏わせた刀で、俺と同じように連続で斬撃を繰り出して相殺した。

ちっ……相性で不利な筈の氷の斬撃で、俺の炎の斬撃が相殺され-


「-っうぉっ!?」


首筋に濃密な死穢の気配を感じて即座に『ちゅーれんぽーと』を差し込むと、一瞬で俺の近くまで急接近した冬将軍が振るった刀とぶつかり合った。

「ぐっ……『エア・ウォーク』!」

素の筋力でも遅れを取っている上に後手に回っては防ぎきれる筈もなく、吹き飛ばされながらも俺は風のエレメントを全身に纏い空へと飛翔する。このまま空中旋回して後ろに回り込めば……!

しかし冬将軍は刀に冷気を纏わせ、空中の俺目掛けて猛吹雪を斬撃に乗せて放ってきた。

「っ、火焔竜演舞-ぐぅうう…っ!」

俺も空中でどうにか迎撃を行うが、ただでさえ地力は向こうが格段に上。それ加えて火焔竜演舞は派手さとは裏腹に、僅かなズレも許されないとても繊細な技……足場の無い不安定な空中では斬撃を一つに集約することができない。

結果、不完全な火焔竜演舞は真っ向から打ち破られ、多少は炎に相殺されて弱まったとはいえ、十分過ぎる程の威力を伴った冷気が俺に直撃した。

「くっ……『プロミネンス』!虎狼輪廻流!」

まとわりついた氷で動きが鈍っている状態で、こんな化け物と対峙するのは完全に自殺行為だ。

俺は地上へ降り立ち、炎のエレメントを全身に包んで体を無理矢理暖める。当然冬将軍も追撃してくるが、俺は『ちゅーれんぽーと』を巧みに用いて受け流す-


「ぐぁっ…!?うがぁああぁぁああ!」


が、受け流し切れず冬将軍の刀が肩口を切り裂き、痛みで生じた隙に冬将軍はいつの間にか四方八方に生み出していた無数の氷柱を、一斉に射出して俺の体の至るところを貫いた。虎狼輪廻流を駆使してどうにか急所は避けたが……やべ、血が止まらねー。さっさとケリつけねーとあの世行きだ。勝ち筋がまるで見えねーってのに。

頭の足りない腐れ騎士には通用したが、虎狼輪廻流は決して無敵じゃねー……リュウガくらいの剣の達人ならば逆に俺の剣を見切り、自在に太刀筋を変えて対応してくる。そしてこいつの剣の腕は、精霊とはいえモンスターのくせにリュウガに匹敵する。ましてや身体能力はリュウガどころか俺よりも格段に高い。それに加えて流石は冬の精霊、氷属性の魔法をも自在に使いこなすようだ。


…………畜生。強いってのは知っていたが、ハッキリ言って想定以上に強過ぎる。こんな化け物父ちゃんか母ちゃんか全盛期の親分、もしくは例外的にケティくらいしか太刀打ちできねーよ……!

ベルディアのように仕留め切れねーが互角に渡り合える程度じゃねー……今の俺ではまるで太刀打ちできない、ウィズにも匹敵する掛け値なしの圧倒的な格上だ。

幾つもの生傷を負いながらも怒濤の剣戟を捌いていると、業を煮やしたのか冬将軍は刀を鞘に戻し八相の構えを取った。

カズマを葬ったあの居合いか……並大抵の迎撃では速度差で一方的に切り殺されるだろう。


……だったら、こちらも居合いだ!リュウガ、悪いがちょっと技を借りるぞ!


俺も『ちゅーれんぽーと』を鞘に戻し、同様に八相の構えを取る。

繰り出すのは杯を交わした兄弟分の得意とする技……最速の抜刀術『飛燕一閃』。

しかしこいつは奴の代名詞にして奥義とも呼べる技、とても見よう見まねでできるようなチャチな技じゃねー。……だったらリュウガには無い俺の強みを生かして、俺だけの『飛燕一閃』を繰り出すのみだ。

俺にはリュウガのようなテクニックは無いがそこは筋力で速度を補い、それに加えてアークウィザードらしく魔力を上乗せしてやる!

こないだ溜まったスキルポイントで《無言魔法》スキルも習得したし、今の俺なら言葉を発さずともエレメントを精製できる。技名を叫ばねーなんざナンセンス極まりねーが、今から放つこの技には何を差し置いてもスピードが優先されるし、今回は恥を忍んで我慢するしかねー。

抜刀の直後に普通なら火力が強過ぎて俺まで火傷してしまう程の炎を瞬時に合成し、居合いを放つほんの一瞬だけ刀身に纏わせる居合……名付けて『煉極一閃』!

最初から最後まであくまで机上の空論。ちょっとでも理論が間違っていたら死ぬ。失敗しても死ぬ。成功しようが普通に居合いの速度で競り負ければやはり死ぬ。ハッキリ言って分の悪過ぎる賭けだ。

それでも奴に対抗するにはもうこの方法しか思い付かねーし、そもそももう後戻りはできねーんだよ……。


「「…………」」


沈黙。俺も冬将軍も身じろぎ一つせず、居合いを放つタイミングを計る。

その尋常じゃない緊張感にやがて俺の頬に冷や汗がつたい、そのまま地へと落ちたその瞬間- 


お互いが得物を鞘から引き抜き、相手の首筋目掛けて斬り払った。


神速で引き抜かれたお互いの刃が交差した瞬間、俺は二つのことを瞬時に理解した。


一つはぶっつけ本番の『煉獄一閃』が成功したこと。


リュウガの『飛燕一閃』に較べれば技のキレは拙いが、足りない技術は筋力でカバーできた。居合いの速度は本家と比べても遜色ないだろう。そして爆発的な炎を伴った斬撃の威力は火焔竜演舞に匹敵し、速度はそれを遥かに凌駕する。即興とは思えない技の完成度に、俺は思わず自画自賛してしまう。


そして二つ目は……それでも、俺はここで命を落とすということだ。


これも瞬時にわかった。刃が触れ合った瞬間に力負けするとわかってしまった。俺の100%……会心の一撃とも言えるこの攻撃でも、奴の剣戟の方が上だということを。




畜生……畜生畜生畜生畜生畜生!

ただひたすら最強の座を目指した俺の人生は、仲間の仇一つ取れねーで幕を下ろすってのかよ!?


…………嫌だ、認めねー……!

こんなところで終わってたまるか!こんな結末、断じて認めてたまるかってんだ!

……よしんば俺の人生がここまでだとしてもせめて、せめてこいつだけでも……俺の命に代えても、こいつだけは……こいつだけはあああああああああああああ!


そんな俺の渇望も虚しく、冬将軍の刀は『ちゅーれんぽーと』を弾き飛ばし、まるでその勢いを殺すことなく俺の首筋に届き-



俺を真横に薙ぎ倒した。


……は?



地面を転がりながら体勢を立て直しつつも、俺の頭はクエスチョンマークで埋め尽くされた。

吹き飛ばされた……?有り得ない。あれほどの勢いの居合いなら、どう考えても俺の首がスパッと切断されてなきゃおかしい。それが、なんで……?

刀が激突しズキズキと痛む首筋に手をやろうとして、


俺の全身を紅色のオーラが覆っていることに気づいた。


これは……闘気か?それもこの濃い赤色……まさか、紅蓮の闘気クリムゾン・オーラなのか!?古の紅魔族にしか発現しなかったとされる伝説の闘気を、何故俺が……


いや、今はそんなこと考えてる余裕なんざー……紅蓮の闘気クリムゾン・オーラの伝承が真実なら、今の俺なら冬将軍を仕留められるかもしれないんだからな!

……だが当然ノーリスクとはいかねー。闘気術は自身の生命力を削る性質上、長期戦には向かねー技だ。リュウガやラムダみてーな熟練者なら応用効かせて長期戦にも対応できるんだろうが、俺はまだ発現したばかりでまるでコントロールできてねーだろうし、今の俺の疲労具合とダメージから考えると……チッ、おそらくはもって精々1分が限界ってところだな。

そうとわかれば、


「うぉぉおおおぉぉおおおおお!」


俺は冬将軍に向かって全速力で駆け出す。どうやら首を落とせなかったことで困惑していたようだが、冬将軍は気を取り直して強力な冷気を斬撃に乗せ、並行して生み出した氷柱と一緒に飛ばしてくる。


……が、俺の肉体に届く前に跡形もなく消滅した。


「無駄だ!今の俺を魔法でどうこうしたけりゃ、めぐみんでも連れてやがれってんだ!」

紅蓮の闘気クリムゾン・オーラはあらゆる魔法を寄せ付けない。魔力を用いた攻撃で今の俺を傷つけるには、少なくとも爆裂魔法クラスの威力でないと無意味だ。


「精々テメーの罪を懺悔しな!喰らいやがれ、紅魔撃滅拳・紅蓮!」


両腕に闘気を集約し冬将軍を幾度となく殴りつける。すると向こうも負けじと斬撃を浴びせてくるが……無駄だ!今の俺は物理耐久も上昇しているので、まともに喰らってもせいぜい痛いぐらい-


「-って痛い痛い痛い痛いっ!?」


流石にちょっと有頂天になり過ぎた……闘気で守られてようが刀で斬られたら痛いに決まってるわボケ!……いや、守られてなかったら痛いどころじゃねーんだろうけどよ!

……それにしても、押してはいるがこのままじゃマズいな。

こいつ、耐久力も半端無い。闘気と強化魔法で二重に強化され、多分アダマンタイトだろうが真っ向からぶっ壊せる俺の拳を何度も食らったってのに、せいぜい鎧がボロボロになっただけで未だに五体満足だ。

このまま殴り続ければその内死ぬんだろうが、そんな悠長なこと言ってられねー。こっちはお構いなしに生命力をガンガン削ってるんだ、まず確実に俺の方が先にくたばる。その証拠にちょっと意識が朦朧としてきたしよー……。

やっぱ出し惜しみしてる場合じゃねーよな。仕方ねー、少々気は進まねーが……

「最大奥義で消し飛ばしてやる!「『スタン・ウエポン』!」

右手の親指に雷のエレメントを纏わせる。

「『ウォーター・ウエポン』!『フレイム・ウエポン』!」

冬将軍の猛攻を気合いで耐えながら、人差し指に水、中指に炎のエレメントを纏わせる。

「『エアロ・ウエポン』、『グランド・ウエポン』!」

薬指に風、小指に土のエレメントが発生し、そしてその右手を握り締め拳を作ると、右拳はまばゆい光に包まれた。自分に帰ってくる反動が凄まじいが、闘気を全開にしててダメージを最小限にすれば……。

幾度となく喰らった斬撃と枯渇しかけの生命力で朦朧とする意識を、唇を噛み切り無理矢理覚醒させながら、


「五光神滅覇!」


冬将軍に最大奥義をぶち当てた。

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