偏見

 蜂に刺されたみたいに目が腫れている。ものもらいが出来た。そのせいかわかりやすく人に避けられている。寂しいけど嬉しい。正直な反応は心の奥のほうに届く。素性の都合から気を遣われてばかりなので、こういうのは素直にありがたい。


 偏見についてよく考える。


 容姿が不快なので近寄りません、というのはピュアなので信じられる。信じられるものがすきだ。フィクションでは醜い真実よりも美しい虚構が求められるが、現実では真逆な気がする。物心着く頃には偽善に自覚的だったし、〈優しさを隠蓑にした臆病〉にふれない社会に対し、変だなあ気味が悪いなあと思っていた。痛みがあってもピュアなものがいい。


 とはいえ寂しさと点眼のめんどくささは厄介なので、ものもらいさんには早めに治っていただきたい。

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