エピローグ

4-31 バニーガールs 【実装編】

 発注していたバニーガールのコスプレ衣装が届いた。

 3人分。


 ランラン、リンリン、ラビューの分である。

 結果、1着だけ余ってしまっていた。

 どうしたものか…。


「着ないわよ」


 ジェスターは、そう宣言した。

 …俺は、まだ何も言っていなかったのに。


 せっかく金を払って購入した衣装。有効活用しない手はない。

 今日をコスプレデーと銘打って、ランラン、リンリンには、バニーガールの姿で接客してもらうことにした。

 お客さん達からの反応は上々。


 バニーガールが接客をすれば酒の注文は増え、ディーラーをすれば賭け金も上がっていく。

 売上は右肩上がり。


 こんなに効果があるならば、もっと早くやっておけばよかった。

 もう1人の美少女がコスプレしてくれたら、もっと売上が上がるかもしれない。


 …………チラッ。


「着ないわよ」


 うん。こっちだって、別に本気で期待はしていない。

 それこそ、無理矢理縛って、力技で脱がせでもしない限り、未来永劫、ジェスターがバニーガールの姿になることはないだろう。

 そして、それは不可能。

 つまりは、ジェスターは一生、バニーガールにならないのだ。


 余ったバニーガールの衣装をどうしたのかと言うと、せっかくなので俺が着てみた。


「ふざけんじゃねえ〜っ!キンっ!帰れ〜〜っ!!」


 結果は大不評。罵倒の嵐を浴びせられた。

 やっ、やめろ。ビールグラスを投げるんじゃないっ!

 当たりどころが悪かったら、死んじゃうだろ。


「キンはドMな上に、ド変態で、しかも大馬鹿なのね」


 そう言われてしまったのである。



 俺たちに、後ろを向いてうじうじしている暇はない。何が起きたとしても、前を向いて進まなくては。

 俺たちの日常は変わらない。変えてはいけない。


 今日も、いつも通りにピエロ&ドラゴンを営業していく。

 また新しい、今度は素敵な出会いが訪れると信じている。





【第4章完結】

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異世界カジノの経営日記 王都王 @utatanemakura

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