第5話少年は姫と歩く

シロが言うには彼女はスピカル国の第5姫様らしい。紛らわしい言い方をしてくれたものだ、異世界ファンタジーは何でもありだから信じちゃったじゃないか。




『それでお姫様は何故護衛をつけていらっしゃらないのですか?』




冗談交じりの皮肉である。




『え、まって。もう一回言って』


『え?あー。なんで護衛つけてないの?』


『ちーがーう!!!もう一度お姫様って言ってみて!!!』


『お、おう。』


『さぁ!さぁ!!』




急に食いついて来たと思ったら変なこだわりがあるものだ。そう構えられると少し照れくさくなって言えなくなってしまう。不自然なくらいわざと会話を切り替えて意地悪をする。




『で、護衛は?』


『え!?あーえーとね。まぁ私には必要ないというか、なんというか』




そんなに悲しそうな顔するなよ、というかコイツもしかしたら見かけによらず強いのか?




『スピカルまでどのくらいで着くの?』


『歩いて4時間くらいかなぁ』


『じゃあさっそく歩き始めよう』




というか露骨に話題変えたんだからツッコんでも良いんだよ?

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故に 赤ずきん @hako53

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