第四百四十八話 最後の最後で その一
「一応今、不要不急の外出はするなって言われてる筈なんだが……お前は何してんだ?」
「貴女に私のウイルスを遷しに来ましたわ」
ですよね。
「じゃねえだろ! 最後の最後で何してんだ! ただでさえ今外の世界でもウイルス騒ぎあんのにこっちで何してんだ!」
「私に言わないで欲しいですのゲホ! こうなったのもがほ! 作者のせいですわ……げほごほ……」
まあ……そうなんだけどさ。
「作者の馬鹿にはキレて良いとして……お前このままだと死ぬぞ。多分。寝てろ。つか病院行け」
「お断りしますわ」
もうお前死に過ぎなんだよ。
読者そういうの飽きたからな?
「知りませんわ。私は貴方方を抹殺して、最終章を乗っ取りますわ!」
どうせ多分お前も出られるから安心して眠ってくれよ。
「私が主人公になりますわ!」
人の話聞けよ!?
※※※
美咲が家に入って十分。自室の鍵は閉めたが、未だ敵は開けようとドアに攻撃をしかけている。
爆弾なんか使われたらヤバい事になるのだが……。
「おい最後の遊び決めたぞ」
「唐突ね。何を
「バイオハ〇ードごっこだ」
「だから最後くらいパロディ封印した方が
「んな事言ってる場合じゃねえの! 聞けよ今響いてる音!」
――ドガドガドンドン! ゲホゴホ!
「これ何とかしねえと、私達全員隔離病棟行きだぞ!」
「あ、私は体質的に問題ないからどうでも良いや」
……お前がいると折角盛り上げても盛り下がるんだよな……。
やっぱり仲間外れにすべきか。
「私カツアゲ行くわね」
「待
「じゃーねえ」
……瞬間移動で消えやがった。
「ふっ、吾と二人か……」
姉さんみたいな特殊体質なしでどうしろっつーんだ。
「いっそ外まで逃げれば良かろう。流行っておるとはいえ、あやつと濃厚接触するよりはよかろう」
「そうだな……」
だがドアにはあいつがいるし、外から逃げるしか……。
だが考えるより先に、大きな音を立ててドアが破壊される。
爆弾ではなく、美咲の腕力によるものだ。
「もう逃げられま
「今だ!」「ふっ」
私はエアガンを、江代は木刀を抜き攻撃する。
「てやッ!」「エルフリーズ!」
弾丸を喰らい気絶した後、江代が凍らせた。
致命傷にはならない程度に。
「このまま逃げるぞ」
「こいつが奇襲の可能性すら読めない馬鹿で助かったぜ」
※※※
外にて。
「人いねえな……」
「ふっ、臆病者め」
そうは言うが、私的にはこいつが病気になるのが一番恐ろしい。
あの江代好きのお袋の事だ。
どうせ私に当たり散らすに決まってる。
「吾が守ってやるから安心しろ」
「取り敢えずそれが言えるだけの元気は残しとけと無茶ぶりしておくわ」
それより私に遷さないで欲しいがな。
「みーつーけーまーしーたーわー!」
やべえこっちに来る!
「待ちなさい!」
なんであいつ速く走れてんの! こんなの絶対おかしいぞ!
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