第四百二十七話 偽教師を守れ その三


 そのまま逃走する事一時間と数分。

 私達は何とか大阪まで逃げ切る事に成功した。

 

「車で特定されるとマズいから車捨てるしかねえな」

「そんな……」

 

 いやそもそもこうなったのお前のせいだからな?

 

「余計な話してないで逃げるわよ」

「へいへい」

 

「あ、君とそこのお姉さん……」

「なにかね?」

「なによ」

「警察です。貴方方を公務執行妨害兼教職員免許法違反で逮捕します」

 

 馬鹿! 何で引っかかった!

 

「ちょっと! 私は違うわよ!」

「話はあとでゆっくりするから、今は大人しくしてろ」

 

 仕方ねえな。

 

「ヘッドショット!」

「!?」

 

 当てちまった……しかも気絶させた……。

 これで私も犯罪者の仲間入りだ……後戻り出来ねえ。

 

「大丈夫。お前のこれまでの行動の一部も犯罪だから」

「お前にだけは言われたくねえ。てか早く逃げるぞ!」

 

 まだ変装すら出来ていねえ。

 

「いや……もう変装する必要ないわよ……」

 

 まさか……。

 

「きゃああああああああああッ!! 目つき悪い女が警官を、こ、殺した!」

 

 いや……殺してねえぞ。

 

「国外逃亡は無理みたいだな」

「車パクるぞ」

 

 もう良い。こうなったらとことん落ちるところまで落ちてやるさ。

 

「スポーツカーねえかなあ」

「目立つ乗り物に乗ろうとするな。地味な奴だぞ」

「嫌だ! こんな時だからこそ乗るんだ!」

 

 駄々っ子かお前は……。

 

「乗る乗る乗る乗る! 乗らなきゃ運転しねえぞ!」

 

 大の大人がジタバタする光景を見せられてる……。

 気色悪いな。

 

「ま、まあ男なんて皆子供よ」

「ったくしゃーねえな……好きにしろ」

「やったああああ!」

 

 危機感ねえのかこいつ。

 

※※※

 

 別の車をパクり、再び高速道路へ。

 行き先は、関東地方。

 

「これさ……俺の口座の金とかはお前らの視野に入ってるのか?」

「「なわけ」」

「お前ら突き落として良い?」

 

 うるせえんだよ主犯。

 さっきお前の言う事聞いたんだから有難く思えガキ。

 

「そうよ」

「俺に人権は?」

 

 犯罪者に人権がある事を期待するとはな……。

 

「だから俺は犯罪者じゃねえだろ!」

 

 ……。

 

「ついにツッコミすらしなくなったわね」

 

 いい加減読者も飽きてきただろうしな。

 

「そんなに無自覚なの?」

「あ、ラブホ寄る?」

「ビンゴね……」

 

 だろ?

 

「だろじゃねえだろ。俺のエクスカ

「良いから黙って加速しろ」

「人使い荒いな……」

 

 先が思いやられる。

 

「犯罪者が言う? それ?」

 

 ぐう……。

 

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