第四百二十話 節分 その五


「というわけでスタ子!」

「……」

「また私達の計画の為に改造されてくれ!」

「嫌ですよ!」

「断るなら壊す!」

「博士ぇ!」

「スタ子……」

「博士?」

「私はスタ子の事を大事に思ってる。子供のように……」

 

 なんか始まったな。

 

「博士……」

「……でも私の命と未来の彼氏には代えられないから改造するわね」

「そんなああああああああああああああッ!!」

 

※※※(少女改造中……)

 

「うう……なんかまた装備が増えて重くなりました……」

「良かったじゃねえか。浅井三姉妹では戦闘力こそが全てだ」

「これギャグラノベじゃないんですか!?」

 

 途中からバトルものにシフトする漫画なんて腐る程あるだろうに。

 

「真似する意味ありませんよ!?」

「意味はな……もうあるんだよ……」

「ごめんスタ子。こうなった初は止まらないわ……」

 

 よし。これで勝てる……。

 

「私は不安です!!」

 

※※※

 

 さて自宅へ。

 

「帰ったぞ」

「あらお帰り初ちゃん。今日は法音ちゃん達も来てるわよ」

 

 ……は?

 聞いてねえぞ。

 

「豆まきするなら皆いた方が良いかな~と思って呼んだのよ」

 

 今日は姉さんを殺す儀式の日だぞ。

 そんな日に余計な奴呼びやがって。

 

「おい」

「母さんにその態度は何?」

「……母さん」

「なーに初ちゃん」

「あのクソ姉貴はどこだ。今日こそ死なすぞ」

「は……初ちゃん?」

「先々月もやれたんだ。今回も上手くやるぞ……」

「え……ええ……」

 

 ふっ……。

 

「あの子どうしちゃったのかしら」

 

※※※

 

 まだか……まだ始まらないのか。

 

「ローバストガンナー……俺がいる事を忘れないで欲しいんだが?」

「なんでお前が来てんだよ!」

「今日は淀子ちゃんが鬼って聞いたから、俺がハートを頂戴するのさ……」

 

 パチモン残念だったな今日そいつの命を頂くのは私だ。

 精々残念に思うんだな。

 

「いややるの私なんですけ

「うるせえ黙ってろ殺戮兵器」

「酷い……」

 

 酷い? 人形に掛ける慈悲なんてないんだよ。

 

「ふっ……貧乳の銃士。最近何だか様子が

「黙れおねしょショタナイト」

「最近してないよ! 言わないで!」

 

 断る。

 

「ダークナイト! 貴様おねしょをするのか!」

「違う! そんな事は

「ふっ……ふはは……ふははははは……」

「……貧乳の銃士……」

「あ?」

「貴様も鬼と見なして殺して良いか?」

「やれるもんならやってみな」

 

 ……今日は戦争だ。派手にやるぞ。

 

「おかあさん、はつおねえちゃんがへん」

「元からでしょ? それに変なのはここにいるみんなよ」

 

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