第四百十七話 節分 その二


「まず何をするべきだ?」

「そうね……まず必要なのは淀子の耐久力や特性なんかを正確に把握する事ね」

 

 ……。

 

「どうした?」

「いや恋。まさかそれって……」

「そうね……まず一回あの女と戦闘を行って計算する必要があるわね」

「は!?」

 

 何言ってんのこの女……。

 

「あの初。それは私の台詞よ」

「?」

「ものを造るってのはね……目の前にある問題を解決する為にする事よ」

「そうだな」

「でも問題を解決する為には、それに必要なものが何かを知らなきゃいけない」

「つまり?」

「犠牲を厭ったら、ものは完成しないのよ」

 

 完成以前にユーザーの命犠牲にしてどないすんねん。

 

「それは死なない事ね」

「無茶言うな」

 

 あいつと戦うのに必要なパラメータどれくらいだろ。

 

「ペル〇ナ主人公の人間パラメータMAXくらいは必要じゃない?」

 

 今からだとそれやる前に二年生終わるわ。

 

「なるほどね。人間パラメータ最悪だから十二月まで彼氏出来なかったのね」

 

 それはお前にブーメランだけどな。

 

「は? 私だって洗脳装置を使えばね……うっ……ううっ……うう」

 

 涙拭けよ……作者。

 

 なんで俺!? By作者

 

「みなまで言うな」

 

※※※

 

「仕方ないわね……じゃあスタ子」

「わ、私ですか!?」

「アンタ淀子に喧嘩売りなさい」

「うう……催眠術の使い過ぎで最近身体が熱いので戦いたくありません……」

 

 こいつもオーバーヒートとかあるのか。

 

「てか今のお前どんだけ熱いんだよ」

「多分焼き肉焼けます……」

 

 ポンコツスマホよりひでえ。

 てか今触ったら

 

「火傷しますよ」

 

 私が男でもコレをダッ〇にはしないな。

 

「てかよく知ってるわねそういうの……」

 

 先輩の〇ッチに私はなる!

 

「玩具になるのでも良いのね……」

 

※※※

 

「じゃあこの際、もうじゃんけんで決めちゃわない?」

「そうですね。負けた方が淀子さんを

 

「まあ待て」

 

「どうしたんですか初さん」

「スタ子よ。お前の主人は誰だ?」

「恋博士ですが……」

「では何で、お前は主人の願いを叶える事に関して後ろ向きなのだろうか?」

「え?」

「江代も言ってたぞ。良い臣下は、主人の為に尽くす事こそが喜びだってな」

「は、はあ……」

「だからスタ子。お前が私に勝ったら、姉さんと戦う権利をやる」

「……?」

「あの初?」

「なんだよ」

「そんな小学生でも分かる罠……スタ子が引っかかるわけないと思うけど……」

 

 ……。

 

「私を舐めているんですか?」

「すみませんでした……」

 

 詐欺師並みに上手く相手の気持ちを汲んだつもりだったのにな……。

 

「上手いと思ってたのね……」

「頭が残念ですね……」

 

 悪かったなおい。

 

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