第四百十六話 節分 その一
「いてぇ……」
まだ前回のダメージが抜けない。
二月三日。節分……という事で。
「何の用なの?」
「恋。今年こそは……ッ! 今年こそはなぁ……お前の力を借りてでもッ!」
「待ちなさいよ……少し落ち着いて」
落ち着けるか!
前回だって痛い目にあったのに。
「あのさ……もうこの際だから暴露して良い?」
「なんだよ」
「前回のテレビのアレ……あるじゃない?」
「おう」
「あそこで出てたカップル……私の友達なのよね……」
「……お前売ったのか?」
「そうよ。だって私……この歳になっても彼氏いないし……」
「……残念だったな」
「そんな汚れた私からでも、力を借りるの?」
「分かった! この後の話で恋愛相談に乗ってやるから!」
てかこいつと藍田くっつけて良い? もう前章からめんどくさいし。
「ああ……あの如何にも童貞って感じの男の事?」
「そうだけど?」
「私ああいうの嫌い。イケメンでもアレは引く」
理想高えな……こいつ。
「いやそうじゃない?」
「私は京極先輩なら変態でも良いや」
てか付き合えたのは良いけどその後のエピソードがまるでない……。
「当たり前じゃない? 読者が見てて腹立つもん」
私と先輩がイチャイチャしてるのはそんなに見てて腹立つ光景なのか!
「うん。てかリア充には死を」
私も前までそっち側だったけどな……彼氏持つと変わっちゃうんだわ。
「最終話で刺されれば良いのに」
「浮気出来るような顔と乳に見えるか?」
「そうだな目つき悪い貧にゅ
「この際目つき悪いと言うのは構わんけど、それだけは言うな。言ったら殺す」
「怖いわよ……」
※※※
「それで……どうしたいの?」
「私はな……今年こそ鬼を退治してえ」
「……知ってた」
「分かるだろ?」
「ただスタ子も江代の機械も、淀子には勝てないんでしょ?」
……まあそうだな。
「どうすれば良いのよ……」
「豆まきは今晩だ。今日の夜までじっくり考えるぞ」
「めんどくさいわね……」
「一生彼氏出来なくても良いのかよ?」
「ぬっ……仕方ないわね……」
ちょろい。
「アレ? 貴方デスノートのキラ?」
「元々キラが悪だくみしてる時の顔とか言われるから気にせんぞ?」
「う……うん」
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