第四百十三話 十章反省会 藍田の懺悔室


「……」

「なあ遠藤」

「なに?」

「こいつに何でも良いから出してやってくんない?」

「俺こいつ嫌い」

「俺もお前嫌い」

 

 大の大人が喧嘩すんなみっともない。

 

「「貧乳は黙ってて」」

 

 分かった。あとで二人とも殴るぞ。

 

※※※

 

「今日は何しに来たの? 営業妨害?」

「いや……実は職を失って落ち込んでて」

「おち〇こ揉んでる?」

「やめろ遠藤」

 

 また友人からネタ借りパクかよ。

 

「はあ……何でクビになったんだろ……」

 

 ……。

 

「……」

「誰かツッコめよ!」

「いや、アレで自覚しない方がおかしい」

「俺は恋愛してただけだ!」

 

 いやそれでも仕事しろよ。

 

「これからニセ教師として生きなきゃなんねえとか……マジ無理だわ……」

 

 催眠術を使い続けなきゃいけないスタ子の方が寿命的にキツイと思うぞ……。

 

「将来詰むじゃねえか」

 

 女の闇より怖いものも理解したようだな。

 

「もう何も怖くない」

 

 いや今の不安定な状態だともっと恐ろしいもの知るからな……。

 

「例えば?」

「催眠術切れて逮捕とか」

「……」

 

 あ……フリーズしたか犯罪者。

 

「ハメたな……?」

「やると決めたのはお前だぞ」

「ハメさせろ……お前の×

「マジで捕まる?」

 

 反省してないな。

 

※※※

 

「というか初ちゃん、それと変態医師……。俺を財布にするのはやめてね……?」

「馬鹿野郎! 俺は医者だぞ!」

 

 もう医者ではないけどな。

 てか酔ってる?

 

「テーブル見ろよ」

「……」

 

 カフェに持ち込みはアカンだろ。

 

「マジで帰ってくれない?」

「断る。お前に迷惑掛けたい」

 

 遠藤……乙。

 

「なんで俺じゃねえんだ」

「常識で考えてよ」

「んだとコラ!」

「は? やるか?」

「だから喧嘩はやめろッ!!」

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