第三百七十三話 初詣 その二


 取り敢えず全員で行列に並び、自分の出番を待ち始める。

 

「ねえ作者」

 

 なんだ淀子。By作者

 

「いきなり私の脳内経由するのやめろ」

「うるさい大人しく電話の回線代わりになりなさい」

 

 こんな言葉を浴びせられるギャグキャラは……世界どこ巡っても私しかいないだろうな……。

 

「リア充が周りにいるんだけど……一人ずつ金奪って良いわよね?」

 

 また牢屋に入りたいか? By作者

 

「……泣いて良い?」

 

 俺も泣いてねえんだ我慢しろ……。By作者

 

「姉さん逮捕してからの作者怖いな……どんだけあの雷痛いんだ」

 

 もう二度と雷なんて浴びたくありません……。スキルチェックなんて嫌いだあ……。By作者

 

「ゑ……こいつスキルチェックすら出来ねえの?」

「あまりにも下手くそ過ぎてね」

 

 お前も〇BD下手くそだろ。

 

「私は良いのよ。殺人鬼見つけたら体術あるし」

「お前がDB〇にいちゃダメだわ」

 

 ゲームにならねえ。

 

※※※

 

 取り敢えず自分の出番が来たし……お祈りするか。

 

「……」

 

 ――先輩と今年中には結婚出来ますように。

 

「もう結婚考えてんの?」

「当たり前だろ」

 

 私は先輩と未来永劫一緒にいたいんだ。

 

「和泉を馬鹿に出来ない程のヤンデレ……?」

「私をアレと一緒にするな」

 

 取られても包丁は使わん。

 

「どうすんの?」

「拳かエアガン」

「十分ヤンデレよ……」

 

 犯罪者に引かれるとか……。

 

「誰が犯罪者よ!」

「いやもう作者の所とは言え、牢屋の中に入ったんだ。もうこれからこの小説ではお前を犯罪者として扱う」

「やめなさい。私が怯えられるじゃないの」

 

――ゑ……アレ淀子じゃん。

 ――ああ……美少女だけど暴力で他人の金を奪うゴリラの淀子でしょ?

 ――今あの目つき悪い女から犯罪者って聞こえたぞ。

 ――あの人カツアゲ以外にも何かしでかしてたの?

 ――ヤクとかじゃね? 化け物みたいに強いし。

 

「元からだぞ」

「知ってるわよ。でも捕まって余計イメージダウンよ」

 

 カツアゲの時点でお前のイメージは底辺だよ。

 

※※※

 

 さて、他のメンバーもお祈りを終えた……。

 

「そういや姉さん、他のメンバーは何を祈ってたんだ?」

「なんで私に聞くのよ」

「視点人物以外の頭の中覗けるのはお前だけだからな」

 

 というか私の頭の中覗いただろ今更だけど。

 

「確かアレ願い事を喋ったらいけない奴じゃ……」

「なんて事をしてくれたんだ姉さん……」

 

 あとでまた刑務所行きだな。

 

「それなら抵抗するわよKO☆BU☆SHI☆DE」

 

 一章以来だなイキリネタ。

 こいつの場合そうじゃないから困るんだが。

 

「まあ良いわ覗いてみる。アンタの頭に転送するわ」

 

 転送って……私の頭はケータイか。

 

「アンテナじゃないの?」

「私を作者とお前らの中継地点にされる筋合いはないんだがな」

 

 迷惑な話だ。

 

「てわけで送信」

 

 ふっ……愛する者と世界征服。By江代

 

 よし平和だ。

 

「何を思ってよ」

 

 いやいつもの事だし不可能だからな。次。

 

 初ちゃんとキス。By和泉

 

「いい加減普通になってくれ。次」

 

 博士に手料理をご馳走出来るくらい頑張りたいです。Byスタ子

 

「頑張れ。次」

 

 浅井家殺す浅井家殺す浅井家殺す浅井家死ね浅井初死ね……。By美咲

 

「……」

 

 さて、次回から屋台で何か食べよう。

 

「なんで最後のノーコメ?」

「あんなのにコメントなんかしたくねえ」

 

 魂が持ってかれそう。

 

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