第三百六十七話 ニュース
~♪
「こんばんは……ニュースの時間です」
『浅井淀子容疑者(17)逮捕』
「クリスマスイブの晩に、大変な事が起きてしまいました。なんと、他校の男子生徒を暴行で脅し、お金を奪い続けたカツアゲの女王が逮捕です」
「私はまだ負けてないわ! あの貧乳に負けたなんて認めないわ!」
「こちらは作者権限で用意した牢屋の中で叫び続ける……容疑者の映像です。本日12月24日……自称普通の女子高生と名乗る、浅井淀子容疑者(17)がバスを横転させ、中にいる客に重症を負わせた疑いで逮捕されました。ただいま現場と中継が繋がった模様です」
……。
「はい! こちら現場です。こちら事故が起きた高速道路なんですが、このようにバスが横転し、今もここ一帯が通行止めとなっています」
※※※
「えー、淀子容疑者はこの前にもカツアゲの女王の異名通り他校の生徒を恐喝し現金を盗み、酷い時には生殖器を潰すなどの行為が確認されており、警察も長い間凶悪犯として追っていました。なお被害者は他校の生徒に及ばず、家族にまで至っており、被害者である容疑者の妹とも話が取れました」
被害者である容疑者の妹は……
「いやあもう大変でしたよ。私のデートを邪魔されるわ、プリン食べられるわ、脅されるわ、家壊されるわで……もう私から見ても逮捕されても当たり前だと思ってましたし当然ですね」
「などと鼻をほじりながら証言しています。えー事件当時、淀子容疑者はこの被害者女性のデートを妨害する目的で発電機を設置し、自称小説家の無職の一般男性にも協力するように脅迫し、落雷を何度も浴びせ重症を負わせたなどの証言もあります」
落雷を浴びた自称小説家は……
「もうあんな電流浴びたくないてす。痛いです」
「町の人にも話を聞きました」
町の人は……
「いやあお金を暴力によって盗まれるなんて考えられないですね。怖いです」
「誰?」
「そんな事よりおうどんたべたい」
「淀子容疑者は依然容疑を否認しており、『この世は弱肉強食なんだから、強いものが奪い続けるのが当たり前なのよ』などと供述しており、警察は呆れながら捜査を進めています」
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