第三百六十三話 先輩とのデート その十三 ♡


「ふっ……赤の姫よ。ここまで来てしまったが、もう映画も時間的に中盤だ。ここで勝たねば貴様は計画を阻止されて終わるぞ」

「分かってるわよ!」

 

 てか何で私がツッコミやってんのよ。本来私ボケキャラなのに!

 

「……」

 

 私は拳を握り直す。

 どう考えても無理ゲーな戦いだけど、私ならやれる。

 

「はあッ!」

 

 内側の気を、全て解放する

 私を纏うのは白い炎のような、自分自身の力。

 

「遂に本気か」

「江代……アンタさっきからイキってるけど単体では勝てない筈よね?」

「そうだな」

「ならアンタからやるわ」

「ゑ」

 

 私は弱いものイジメからやる方なのよッ!

 

「はあっ!」

「カウンター!」

 

 木刀に攻撃が命中する。

 そのまま反撃を受ける……が。

 

「私には効かないわよ!」

 

 逆に江代がのけぞる。

 

「あらあら江代ちゃん、油断しちゃだめよ!」

「ぬうっ!」

 

 反撃を狙おうとした私の背中に母さんの拳が。

 

「このおっ!」

 

 負けじと振り向いて気弾を放つ。

 

「からの……かめ〇め……波ッ!!」

 

 両手から青い波動をぶちまけ、母さんを飲み込む。

 

「隙だらけだ……」

 

 江代……いつの間にッ!

 

「ふっ……」

 

 江代は眼を閉じて何かを意識する。

 

「来い……アロンソッ!」

 

 カッ、という文字と共に謎のカットインが目の前に。

 木刀に闇のオーラを纏い、

 

「エルドゥンケルッ!」

 

 機械から闇色の炎が放たれた。

 

「ぐっ……」

「魔法攻撃は効くようだな……赤の姫よ」

 

 同人誌で使うネタをこっちに持ってこないでよ!

 

「三栄!」

「僕に任せて……ぬうっ!」

 

 初の持っている漫画の主人公が放った感じの、神速の抜刀術的なのが三栄から放たれる。

 勿論私がそれを喰らわないわけがない。

 

「ああっ……!」

 

 負ける……このままじゃ負ける……。

 

「いや、諦めない!」

 

 私はまだやれるわ!

 吹き飛ばされながら、私は指を鳴らす。

 魔法陣から現れたのは……。

 

「あれ、誰ですのあな

「悪いけど美咲一回死んで」

「ゑ?」

 

 三栄の斬撃が美咲に激突。

 美咲は爆発し、三栄もそれに巻き込まれた。

 

「身代わりメガ〇テ……ホントに役に立つわ」

 

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