第三百五十六話 先輩とのデート その六


 数分後。

 バスはショッピングセンター前に到着し、私と先輩はバスから降りた。

 先輩は相変わらず、何か言いたいのを我慢しているような顔だ。

 

「……どうしよ」

 

 これがもし、先輩が私を嫌いとかだったら。

 死んでほしいとかくたばれとか蛆虫とかだったら流石に私は立ち直れない……。

 

「浅井さん?」

「なななななんでもないですよ!」

 

 先輩がそう言う前に私が何とかしねえと……。

 

「てか早く来てくれよ江代」

 

 姉さんのトラップがいつ仕掛けられてるか分かんねえんだぞ。

 

※※※

 

「さあこの女、参加者でない江代に何かを期待しているようです。馬鹿なんでしょうか!」

 

 お前よりは正常だと思うけど。てかお前知らないんだ。……あ。By作者

 

「? なにかしら? 言わないと潰すわよ?」

 

 なななななななななな何を? By作者

 

「ナニを」

 

 江代今回お前らの敵になるかもとだけ言っておく。それ以上は言わん。By作者

 

「あいつ……」

「あらあらそうなのね。江代ちゃんはあの畜生貧乳に味方するのね」

「初ちゃん♡」

 

 和泉の台詞のパターンが少なすぎる今回。By作者

 

「でもどうしようかしら、江代ちゃんが敵なら手出し難しいわねぇ……」

「母さん裏切ったら殺しますよ」

「初ちゃん♡」

「和泉さんここで必要以上に発情しないでください」

 

 させたのお前。By作者

 

「作者さん人のせいにしないでください」

 

 ……。By作者

 

「さあショッピングセンターではどの店を選ぶのでしょうか!」

 

※※※

 

「浅井さん、どこか行きたいとこある?」

「……うーん……」

 

 実を言うと、私自身はあまり考えていない。

 クリスマスプレゼントを買って、先輩にあげつつだとサプライズのサの字もないし、かといって家族に買っても……。

 滅茶苦茶文句言われそうだな。

 

『さあこのクソ貧乳、なんと開始早々私達をディスってます! これはウザい! 家に戻ってきた所を袋叩きにするだけでは済まないウザさです!』

『いやお前どんだけ忍耐力ねえんだ』

『あらあら我慢は毒よ作者さん』

『初ちゃん……♡』

 

 うーん……どうするかなあ。

 

「そう言えば……」

 

 デート中に買うのはどうかと思うが……買わなきゃいけないものならある筈……。

 

「電気屋とか……ダメですか?」

「電気屋?」

「はい。ちょっと買いたいものがありまして……」

「……ん。ああ、全然良いよ」

「ありがとうございます!」

 

 私もだけど、やっぱり先輩調子悪そうだなあ。

 

『あーこれは完全に嫌われてますねえ。もしかしたら私達が手を下す前に関係崩壊する可能性もゼロではありません! それに気付かない鈍感アマ! 見てて腹立たしい! 見てて腹立たしいです!』

『もうどうでも良いからカップル崩壊しろお』

『いい気味ね』

『初ちゃん……♡』

『なんか和泉が段々ス〇ゾーに見えてきたぞ』

『それ今のポケモン見てる世代分かるの?』

『江代も大好きな某ゲームを作るディレクターも言ってたろ? 「古いとか知ってるとかじゃなくて、面白いかどうか」なんだよ』

『日本ゲーム大賞で五冠だっけ? を達成したゲームのディレクターは言う事が違うわね。このクソ作者と違って』

『なっ……』

『初ちゃん……♡』

『なあ和泉を家に帰そうぜ?』

『面白いからおいとく』

『飽きたんだよ』

 

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