第二百八十五話 帰宅後の一幕


 次の日。

 あの後は特に何もなく、足も治った。

 

「ギャグキャラで良かった」

「まあまあ」

 

 お前がくじいた癖にその態度は何だ。

 

「どうでもいいじゃない。お土産の見せ合いするわよ」

 

 どうせ姉さんに至っては下らないものしか買ってねえだろ。

 

「あ、俺も買ったから見せるわ」

 

 藍田テメエもいたのかよ。

 

「じゃあ俺も」

 

 遠藤……。

 

「二人とも不法侵入罪で訴えようか?」

「「お前が連れて来たんだろうが!!」」

「入って良いなんて言ってないわよ」

 

 めんどくせえ。

 

※※※

 

「ふっ、まずは吾だ」

「まさか江代。また武器系買ったんじゃねえだろうな」

 

 どうせそのまさかなんだろうけど。

 

「木刀だ」

「裏切れよそこは……」

 

 江代は木刀に付いてた機械を、新しい方に付け替えた。

 

「お、書き換えが始まったようだぞ」

 

 名前:浅井江代

 性別:女

 レベル:80/200

 スキル:スラッシュモー〇ント(+B) ウィンド(無印~ギガ) ハウリングマジック 〇突(壱式~零式)

 適性:風属性、斬属性に適性あり

 装備:おもちゃの木刀→琉球刀デザインの木刀(攻撃力に+7)

 

「攻撃力+7……変えた割には結構渋いな……」

「どうしてだよぉお!」

 

 今回は自業自得だな。

 

※※※

 

「次は私ね」

「待ってましたー、なんて私が言うと思うか?」

「思ってないわ」

 

 分かってるじゃないか。

 

「……何で聞いたの?」

「出来ればその土産は出す価値無さそうだから心の中にしまって欲しかっただけだ」

「馬鹿にしてる?」

「どうしてしてないと思うか説明を求めて良いか?」

「アンタ最近ツッコミするのも億劫になってない?」

 

 テメエらのツッコミがきつすぎてこっち的にはお腹いっぱいなんだよ。

 たまには食休みさせてくれ。

 

「嫌よ」

「そういうと思ったぜ」

 

※※※

 

「じゃあ買ってきたもの出すわね」

「結局出すのかよ。だからお前の心の中にしとけって

「はいこれなーんだ」

「!!」

 

 そ、それは……ッ!

 

「高級プリン……沖縄限定シークワーサー風味だと!」

 

 てか私の行きつけのプリン屋沖縄にもあったのか!

 

「はい見せるのはおしまい」

「裏切ったな……私の気持ちを裏切ったな!」

「だから聞いたじゃん。『馬鹿にしてる?』って」

「ぐぬぬ……」

 

 最悪だ……今回は姉さんに負けてしまった……。

 

「今度はちゃんと舐めまわすように確認しないとね」

「あい……」

 

 私の土産はサーターアンダギーだけど……もうこれ出た後だと発表出来ねえ。

 

「じゃあ私の勝ちね」

「これ何の勝負……?」

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る