第二百七十六話 修学旅行 その五


「……」

『間もなく本機は、着陸態勢に入ります……』

 

 着陸? ゑ? 離陸じゃなくて?

 

「初ちゃんおはよ」

「……なあ和泉……」

「どーしたの?」

「作者、間違えてないよな?」

 

 ? 間違ってねえぞ。By作者

 

「初ちゃん、乗る前からずっと眠ってたよ。淀子ちゃんに殴られて気絶してたの」

 

 あ、そうだった。やらかした。

 

「ゑ? じゃあカタラーナは?」

 

 この機体の機内販売で売られるって聞いて楽しみにしてたのに……。

 

「それなら買っておいたよ、初ちゃん」

「おお! ありがと和泉」

 

 着陸する前に食べねば……あ。

 

「どしたの?」

「和泉……すまん。もう溶けてた」

「やっぱり口移しした方が良かったかな」

 

 それはやめろ!

 

※※※

 

「はぁ……」

 

 全く……修学旅行くらいのんびりしたかったというのに……。

 沖縄に着くまで苦難の連続だった。

 

「よしよし……」

「そっとしといてくれえ」

 

 今私と和泉は、ホテルの一室にいた。

 他の奴らが四人部屋なのに対し、私と和泉は二人部屋だ。

 もう危ない気しかしねえ。

 

「せめてスタ子だけでも一緒にいて欲しかったなあ」

「なんで?」

「お前は知らなくて大丈夫」

「気になる~」

 

 ……。

 

「はあ……」

「明日は海行けるんだよ? 楽しみだね!」

「そうだな」

 

 あまり水着姿先輩以外に見られたくない。

 

「淀子ちゃん、あの二人連れてきてたけど……先輩も詰めてきた方が良かったね」

「馬鹿やめろ」

 

 本気で姉さんがそれをやったら私は許さねえ。この身が果てようと。

 

「取り敢えず姉さんを殺せるくらいのメガ〇テ習得してえ」

「初ちゃん。何か分からないけど死のうとするのはダメ」

「はいはい……」

 

 調子狂うなあ……。

 

※※※

 

 ギイ……。

 

「?」

「ふっ……来てやったぞ貧乳の銃士」

「なんだ江代か」

「なんだとはなんだ。周りの奴と馴染めんから来てやったというのに」

 

 江代は大荷物でここにやってきた。手にはs〇itchが握られている。

 

「江代ちゃんそれなーに?」

「ゲーム機だ。微乳レズもやるか? スマ〇ラ」

「よく分かんないけど面白そう!」

 

 一応私達それなりに経験者だけど大丈夫か?

 

「ふっ、吾も仕事でゲームをやっている身。接待プレイくらい余裕さ」

「私に接待プレイしてくれよ」

「だから貴様はFPS以外でも吾に勝てるようになれと何度も

「今度の大会で優勝してなかったら出禁にしよ」

「嫌だよお姉ちゃん」

「すまん泣くな。頼む」

「じゃあ吾は勇〇でも使おう。勿論イレ〇ンの」

「私は〇ネークかな。メタル〇アやりまくってるし」

「どーしよっかなあ」

 

 和泉はゲーム経験がないからか決めかねている。

 

「これ可愛いかも」

 

 和泉が選んだのはピ〇ュー。

 

「それ初心者がやるには結構キツイぞ。大丈夫か?」

「やってみる」

 

 いや待てよ。もしかしたらこの展開なら和泉が江代を倒すなんてことも……。

 

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