第二百二十九話 文化祭 その一


 何だかんだで、その日がやってきた。

 

「ついに来てしまったか……」

 

 私は今更衣室で、メイド服に着替えている。

 しかも巨乳にしか似合わないようなエロメイド姿。

 

「初ちゃんどう? 似合う?」

「あー……似合う似合う」

 

 いじめか?

 

「違うよ? 聞きたかっただけだよ~」

「わざわざ断崖絶壁の私に聞くなんていじめ以外の何物でもないぞ?」

 

 てか和泉って姉さん程じゃないけど結構おっぱいあるんだよな。

 

「あら初さん、今回は私の勝ちのようですわね」

「ハイハイ射殺してやろうか?」

「嫌いな人が自分にする嫉妬は見ていて気持ちが良いですわね。さて店の準備に」

 

 がしっ。

 

「ゑ?」

「よし決めたぜ和泉。私料理係やる。こいつ捌こうぜ」

「うん。初ちゃんがそう言うなら」

「ま、待ってくださいですの!」

「うるせえまずは口調が安定してから言えよ!」

「いやああああああああああああああああッ!」

 

※※※

 

 ふぅ~すっとしたぜ。

 

「痛いですわ……」

「腕の一本くらい捥いでおけば良かったか……?」

 

 一応全身包丁で傷だらけにしておいた。

 

「初ちゃん私にも

「お前はこれ以上余計な性癖に目覚めるな」

 

 私に対する愛だけでも大変なのに……これ以上和泉を変な方向に覚醒させるな。

 

「初さん」

「あ? もっかい捌くか?」

「違います。スタ子です」

 

 分かり辛い……。

 

「んで何の用?」

「肉を焼くように言われたのですが、私の武装で焼いてしまうと部屋が燃えてしまいます。どうすれば良いでしょうか?」

「あーなるほどな。ならいい方法があるぜ」

「?」

「そこに傷だらけの眼鏡女がいるだろ? こいつならお前の武装も受け止めてくれるんじゃないか?」

「ゑ? ゑ?」

「なるほど……。分かりました!」

 

 ゑ? マジでやるの?

 まあ美咲だし良いか。

 

地獄火炎ヘル・フレイム!!」

 

 魔法レベルの火炎放射が、美咲目掛けて放たれる。

 

「流石江代の木刀に付いてる機械を作った奴のロボだな……。魔法っぽい」

 

 威力で言うなら〇ラゾーマ並みと言える。

 

「……」

 

 長いな~。

 

「長いな~、じゃないですの!」

 

 あれ?

 

「人の事を焼いておいて呑気ですわね」

「だってお前が死のうと知ったこっちゃねーし」

 

 てか私死にかけたしお前のせいで。

 

「だからって焼き殺さないでくださいですの!」

「私はお前みたいな奴は酷い死に方をしてもらわないと満足出来ないんだよなあ……」

 

 性格が段々淀子化してる……。By作者

 

「うるせえテメエも焼き殺したろか?」

 

 やめて。By作者

 

「てか、姉さんならこれ以上に酷い死に方じゃねえと満足しねえから」

「初ちゃん怖い……」

「いや、これが普通だからな」

 

 今まで我慢してきたんだし。

 

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