第百二十三話 ヨド☆トモ その三


 数分後。もう一度虎を捕まえ直し……。

 何とか生き残ったままで二章へ。

 

し〇〇〇〇二号『おいテメエ……』

 

 今回はプレイヤーの事について質問したいらしい。

 

し〇〇〇〇二号『俺様はテメエの事が知りてえ。だから今答える質問に、嘘を吐かずに答えろ。嘘吐いたらどうなるか分かってんだろうな?』

 

 姉さんが嘘ついても死ぬのはほぼお前だけどね。

 

し〇〇〇〇二号『まず一つ目……テメエはどこに住んでいるんだ?』

 

「どこに住んでいるのかねえ」

 

 さて、姉さんの答えは。

 

『処女の間』

 

し〇〇〇〇二号『「処女の間」……テメエはそんな所に住んでるんだな』

 

 いきなり変な奴書いたなおい!

 

「そうよし〇〇〇〇二号。処女の臭いだらけのくっさーい場所に私はいるのよ。今も隣で臭いの発生源が変な事書いたとか考えてるわ」

 

 私の事言ってんのかゴルァ!!

 

し〇〇〇〇二号『テメエは良い場所で生まれて、俺様もそんな場所でテメエに出会えたんだな。あの時動物園ぶっ壊しといて正解だったぜ』

 

「よくないわよ。ゴミ箱のティッシュとか本棚のエロ本の数は増えるし。なんか私まで同類と勘違いされて彼氏出来ないし」

 

 私達につく悪評の半分以上はお前のせいだけどな。

 てかいつの間に良い関係になったんだよ。

 

し〇〇〇〇二号『次の質問だ。テメエの家の住所を教えろ』

 

 今度は住所!?

 いや色々とマズくねえか住所は!

 

「しょうがないわね~」

 

 モノホンの住所だと色々マズい事になりそうだけどな。

 

『「〇獣」県「先輩」市「ニコ〇コ」町1145-14』

 

「これなら万一の事があってもゲーム会社に住所パレないわ」

 

 もっとマシなのねえのかよ。

 

し〇〇〇〇二号『明日から枕を高くして眠れると思うんじゃねえぞ……』

 

 そこ行っても二十四歳の学生しかいないけどな。

 てか姉さんよ。お前は〇夢に媚びねえとネタねえのか!

 

「良いじゃない面白いし」

「もうちょっと配慮しろよ」

 

※※※

 

し〇〇〇〇二号『最後に……テメエの呼び方を教えてくれ』

 

「そうねえ……さっきからテメエテメエって失礼だし」

 

 ここはまともにやると信じよう。

 

「ふっふーん……♪」

 

『淀子姫』

 

し〇〇〇〇二号『淀子姫……ふざけた呼び名だな』

 

 ――ガシャッ!!

 

「様を付けなさいよ虎野郎が」

 

 まだ仲良くなるのは、遠い先の話だったみたいだ。

 

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