第七十一話 浅井初の取り調べな日常 最終回


 警察の取り調べ室。

 それは罪人が罪を告白する審判の場。

 そんな場所に、三白眼貧乳の淫乱刑事が、今日も暴走する!

 

※※※

 

 最終回。

 色々あったが、何とかここまで来た。

 私は数日前に退職願を出しており、今回の取り調べで刑事職を辞任するという設定で取調室にいた。

 

「今回の相手は……今までに貧乳デカが捌いてきた人たちとは一味も二味も違う……。余計な事は話さない。気を付けろ」

 

 姉さんより恐ろしそうな表現を使っているが……どんな奴なのだろうか。

 

「入れ」

「……」

 

 これは初めてのちゃんとしたキャラだな……。

 何というか……ラスボスっぽい。

 これは戦いがいがありそうだ。

 

「名前……」

 

 名前は等須募(らすぼ)守矢(すや)。名前こそ変だが、犯罪もどでかい。

 スパイ容疑が掛けられている。

 

「死刑級の大物ってわけか」

 

 ラスボスにはもってこいな奴だな。ダジャレじゃねえぞ。

 まずは普通に質問してみるか。

 

「んーっと……一年前の五月二十八日。お前は何をした?」

「……」

 

 やはり正攻法では口を開かないか……。

 でも私に出来るのか? プロっぽいやり方で口を開かせるなんて……。

 

「……あのー」

「?」

「その日なら、俺そこの施設に爆弾を設置したり、そこの施設の大物殺しちゃったりしましたねしたねー」

 

 ……は?

 

「あれ、なんでこうも正直に答えたの?」

「いやー。楽しみにしてたんですよ。貴方みたいな人に会えるの」

「そうかい。私みたいな凄腕の……

「いや、貴方みたいな貧乳に会えて私はとても嬉しいです」

 

 最終話で別の変態投下してきやがったァァァァッ!

 まあ嬉しいけど。

 

「小さい胸……好きなのか?」

「はい。今まで巨乳警官とか男ばっかりで、私好みの奴が現れなくて話す気になれなかったんですよー」

「へー。貧乳好きか。良い趣味してんなお前! 最終話にして話が分かる奴が来て嬉しいよ! あっははははは!」

「それじゃあ大人しく捕まりますんで!」

「おう! 話が分かる奴は大好きだ!」

 

※※※

 

「やっほーい! お前らー! 自白してくれたぞー!」

「……」

 

 あれ……なんで皆視線が冷たいんだ……?

 

「おい。おーい! あの凶悪犯牢屋に入れられるんだぞ! だから……」

「浅井さん」

「は……はい?」

「貴方は幸せな想いをし過ぎました。ですからここで死んでください」

「ゑ……ちょっ待てい。痛い痛い痛い!」

「天誅!」

「ぎゃあああああああああああああッ!」

 

 終。

 

 

※※※

 

 終わった……。

 

「あ、おかえり初ちゃん。六話ぶりだね」

「おう六話ぶりだな、ってそうじゃなくて。何あの終わり方。雑感半端ないんだが……」

「言うの忘れてたけど、それ仲間との好感度とかでエンディング変わるから、初ちゃんは仲間との絆が低すぎてこんな終わり方になっちゃったんだよ」

「えええええ! 作者の無精じゃねえの!?」

「どっちかと言うと君だね」

「はあ……」

「まあでも、作者も喜んでたよ。これでネタが思いつかない時は手抜き出来る、とか」

「作者に言っとけ? もう二度とやらねえって」

「えー、俺的には見てて面白かったぞ?」

「もう二度とお断りだァァァァァッ!」

 

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