第六十八話 浅井初の取り調べな日常 その二
警察の取り調べ室。
それは罪人が罪を告白する審判の場。
そんな場所に、三白眼貧乳の淫乱刑事が、今日も暴走する!
※※※
「はぁ……」
前回現れた変態に疲れてしまった。
ドラマの主人公になれたのは良いが、扱いが悪すぎる。
今は取り調べ前の職場にいるのだが……。
「ここの警察署、貧乳禁制って知らないで入ったのかしら」
「あの子胸だけじゃなくて頭もスカスカみたいね」
撃ち殺してえ……。
「あの二人美人で可愛いなあ……。でも取り調べ室の浅井さんはやだな。胸小さいし目つき悪いし」
テメエのような女を見る目がない男は嫌いだよ。
「お、貧乳デカ」
「おい。この署でその渾名が流行ってるのは上司であるテメエのせいか?」
「君が貧乳だからだけど何か?」
「今この場で撃ち殺しても良いんだぞコラ」
「いや……あとその態度も問題だしね」
私の扱いの方が余程人権問題だと思うけどな。
「良いか? 世間において貧乳は男……たまに女から人権をはく奪されている。そんな世の中は良いと思うか?
テメエらは警察だろ? 公務員なら市民の手本になって、この人権問題を解決しようと思わないのか?」
「だって公務員でも大きいおっぱい好きだもん」
「よし分かったあとで取り調べ室で射殺してやる」
「給料倍にするから許して」
「良い答えだ。ただ金で釣ったからって良い気になるなよ?」
「怖いよぉ……」
「ん? なんて言った?」
「か……可愛いよおって言いました!」
「それで良いんだ」
「は……はい!」
※※※
さて、取調室に戻る。
今日やってきたのは、こいつだ。
『胸揉汚(ムネモミオ) 二十五歳 中国人
キャバクラにてホステスの胸を揉んでは食い逃げするという強制わいせつ+食い逃げの犯罪の疑いあり』
絶対いじられるな。
「……んーっと。なんでこんな事ばっかしてた?」
「おっぱいが好きだから」
「巨乳ばかり狙ったわけだな?」
「はい」
「一応聞くぞ。貧乳は好きか?」
「微乳は好きだけど、君みたいな絶壁は嫌い」
「うん。後で個人的に射殺するから覚悟しろよクソが」
あれ、てかこいつ中国籍だよな?
「お前確か中国人って聞いたけど、日本語上手いな」
「人生の半分以上は日本で生活しているものですから。中国語聞きたいですか?」
「生の中国語聞いた事ねえからな。今から会話してみるか。どうせこの後射殺されるんだし」
「射殺回避出来ないんすか?」
「うるせえ言っちまったもんは仕方ねえだろ。良いからまず挨拶」
「你好」
「こんにちは、だな」
「这次我做了这样的事情,我很抱歉」
「どういう意味?」
「今回はこんな事をしてすみません、という意味です」
一応翻訳アプリ起動しとこう。
「謝る意思はあるんだな?」
「是的」
「はい、ね」
「んー、これから刑務所で生活するわけだけど、出たらしたい事はある?」
「如果我能离开监狱,我想暂时触摸我的胸部」
「刑務所から出られたら、取り敢えず胸を触りたいです……は?」
「有什么问题吗?(何か問題はありますか?)」
「問題しかねえだろ! また捕まるだろうが!」
「我进去的时候很兴奋,因为这里有很多漂亮的警察(ここは美人警官が多いので、入る時ワクワクしていました)」
「そ……そうか。それでもだめだぞ。ちゃんと厚生して
「まあお前は例外だけどな」
バコッ!
「疼痛(いてえッ)!!」
「おいこら中国人……やっぱりテメエはここで射殺する」
「や……やめてくれえ……」
「問答無用だ。覚悟しろ!」
「ひぎゃああああああああああッ! 誰か助けてェェェェッ!」
逮捕成功!
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