第六十七話 浅井初の取り調べな日常

警察の取り調べ室。

 それは罪人が罪を告白する審判の場。

 そんな場所に、三白眼貧乳の淫乱刑事が、今日も暴走する!

 

※※※

 

「いや何このオープニング」

 

 取り敢えずパロ元は無い事に安堵するが、初っ端から私の扱いが悪すぎる。

 一応衣装は普通。刑事がよく着る、スーツの上に薄茶系のコートといういで立ち。

 さて……最初は誰が来るのだろうか。

 

「入れ!」

「ぐおあっ!」

 

 随分手荒だなあおい……。蹴り入れはあかんだろ。

 取り敢えずプロフィール見てみるか。

下着盗男したぎぬすみお 四十五歳

職業 無職

下着泥棒の疑いで書類送検。一昨日の晩にも犯行を働いたとされている』

 

 下着盗む為だけに作られたキャラかよ。

 モブの名前だろうけど何とかしろよおい。

 まあ普通に質問していくか。

 

「えっと……まず座れ」

「……」

 

 返事もしねえのか……。

 

「一昨日の晩、何やってたんだ?」

「一昨日はパンチラ画像見てたから何もしてねえよ」

「ふむふむ……」

 

 いや待てい。

 誤魔化すにしてもその言い訳はねえだろ。しかも相手女だぞ。

 

「え、お前女なの?」

「そこから!? どこをどう見て私を男だと判断したんだよ!」

「体格」

「テメエぶっ飛ばすぞ」

 

 いきなりイライラさせてきたな。

 

「一応さ……私それすげえコンプレックスだからよ。二度とそれをこの回でいじらないと誓ってくれ」

「えー」

「誓わなきゃ撃つぞ」

「しょうがないな~」

 

 ったく……。

 

※※※

 

「んで、一昨日の晩はパンチラ画像見てたんだな?」

「はい」

「それを証明出来んの?」

「ゴミ箱にその時のティッシュが

「それはネタに出来ないすまんな」

 

 大体それが証拠になるわけがない。

 

「もう嘘を吐くな。自供したらどうだ?」

「もうしたよ。俺はパンチラ画像を見ていた。それ以上でもそれ以下でもない」

「参ったな~……」

 

 ここは女の武器を使うしかねえか……?

 

「盗男」

「なんだ?」

「これ一応私が選択して進めるドラマって事になるから、ある程度は普通の刑事がやっちゃいけない事も大丈夫になる筈なんだ」

「だから何だよ」

「お前童貞か?」

「そうだけどなんだ?」

「流石に本番は性描写になっちまうから無理だが、パンツくらいなら見せてやる。どうせこの後牢屋に入るんだ。見とけよ」

「貧乳のパンツなんか見ても自供する気になれねえ」

「それ言うなって言ったよなオイコラ」

 

 もう我慢の限界だこん畜生。

 

「うるせえ! 貧乳は貧乳だ! やーい貧乳! ちっばい! 絶壁絶壁」

「むかむかむか……」

「悔しかったら巨乳になれやーい!」

「黙れよ……」

「あ?」

「黙れって言ってんだ下着泥棒ゴルァ!」

「うおあッ!」

「テメエの罪の数を数えろ……そして潔く撃ち殺されろ……」

「ひ……ひいっ!」

「さあどうした……? 早く言え変態野郎!」

「いや……いやァァァァァァァッ!!」

 

「――した」

 

「あ”ぁ”?」

「私がやりました……だから殺さないでください……」

「んな事どうでも良いんだよ」

「早く貧乳って言った事を謝れよ!」

「は……はいいいいいいッ!!」

 

 逮捕成功!

 

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