NAVY★IDOL ~海軍士官が現代でアイドルキャプテンを目指すようです~

作者 板野かも

195

67人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

戦時中の海軍少尉が人気アイドルに転生しちゃった!?
なんと心踊る設定でしょう。フネにソラにと詳しい軍人であれば、現代でも通用するさまざまな特徴ももっています。動体視力とか、イングリッシュとか自制心とか。それらの能力が日常生活やアイドルの活動においてどのように発揮されるか。本作のエンターテイメント性の一つはここにあります。

ですが、それ以上に笑えてしまうのが、戦中と現代を比較した際の少尉(隼一)の反応! ツッコミ役の同僚、林檎さんと一緒になって流れるようなコメディラインが展開されていきます。

この偉大なジェネレーションギャップ(?)を笑いに昇華できているのはひとえに、作者の膨大な知識量と念入りな取材によるものでしょう。軍人世界、アイドル世界ともにすごく詳しい! だからギャップ感覚もほんもの。文句なしの高等コメディです。

この知識欲の充実とコメディの享受のため、私がどんな被害に遭ったことか!
なんと夢中になって読み進めていたため、職場の最寄りの駅で降りられなかったのです。それくらい、自然に自分の中に溶け込んでくる物語でした。

転生先のアイドル、大和ナナもいくつかの謎を抱えたままお話は進行していきます。
四分の三世紀を隔てた、希代のエンターテイメント! みんなで準一……いや、ナナちゃんの奮闘を応援しましょう!!

★★★ Excellent!!!

軍人としてマジメに行動する主人公が、時に男らしく格好良く、時にちょっとトボけた感じに読者を笑わせながら、アイドルを頑張って演じていく姿が、本当に面白いです。お話の中で先輩が言っているように、「マジメな顔をして変なことをする」結果になってしまっている主人公の描写が、おかしいですね。

★★★ Excellent!!!

元々ミリタリー×SF or ファンタジーものが好きだったわたしにとってはとても新鮮でスラスラと読める作品でした。

タイトルの段階では「アイドルものかぁ」と正直あまり期待はしていなかったのですが、豆知識が出てきては細かな設定までしっかりと覚え作り込まれていき、主人公達の反応や行動にもそれがしっかりと反映されており脳内再生余裕です(笑)

もう続きが早く見たくてしょうがないです!
応援しています!
みなさんもぜひご一読ください。

★★★ Excellent!!!

 太平洋戦争で戦死した海軍士官が、現代のアイドルの体に転生した。……というブッとんだ導入から始まる本作は、生真面目で熱い少尉殿が歌と踊りで、「女王」によって課せられた使命に臨んで行くという異色のアイドル小説となっております。
 さらに男視点ならではの、当時の軍人ならではの驚きや戸惑い、勘違い。その全てにクスリと笑ってしまう一方で、非常に勉強になる海軍関連の薀蓄も自然な形で盛り込まれており、するすると物語に入り込んで行けます。

 海軍士官。アイドル。どちらかが好きなら、どちらも好きになれる。そんな魅力が詰まった、パワー溢れるベストマッチな快作です!(^^)
 ぜひ、ご一読ください!

★★★ Excellent!!!

 戦前の海軍士官が現代に転生してアイドルとして活動する。これだけ聞くと奇抜な設定のギャグ中心になるかと感じるが、本作は違う。
 まずはその設定の巧みさである。ご存知の方も多いと思うが、作者の板野かも氏は実在するアイドルグループをオマージュした作品を多く書かれている。本作もその例にもれず、登場する人物、団体には「元ネタ」が存在している。
 そういった元ネタと、海軍士官の転生といった要素の両方を上手く活かすことができている。
 例えば、海軍士官、飛羽隼一少尉の転生先であるアイドル、大和ナナ。
 彼女の元ネタとなった人物は、テレビ番組で企画が成立するレベルの真面目人間であり、時に、命懸けでアイドル活動をしていると思わせるような人物である。
 そこに、真面目で命懸けで戦った少尉が転生する。現実の彼女も、もしかしたら少尉が転生したのかもしれない。そう思わせるような説得力が存在する。
 仮に転生先の元ネタが彼女でなければ、この作品は成立していないだろう。また作者も彼女という存在があったからこそ、飛羽隼一や大和ナナという人物を作り上げたのだろうと確信している。

 さらにこの作品の素晴らしい点は、しっかりと戦前のことについて描かれている点である。
 冒頭の戦闘シーンは、良い意味でジャンルを間違えたと思わせるほど読み応え十分なものである。
 また、以降も度々登場する少尉の「昔の知識」が丁寧に描かれている。その昔の知識ゆえの勘違いなどの本作の見どころであるのは間違いない。
 アイドルに詳しくない、興味のない方であっても、純粋な「タイムスリップ物」として楽しめると私は思っている。
 細かい点まで練り上げられている作品であるのは、私が言うまでもなく間違いない。
 あえて「名作」であると断言する。是非とも多くの方に読んでいただきたい。

★★★ Excellent!!!

 まず最初に告白しますが、私は普段、アイドルにはほとんど関心がありません。
 しかしトップレベルのアイドルグループの活動、楽曲は報道や音楽番組等で耳にすることもあるため、知っていることも僅かながらある、程度です。
 そんな私をして、アイドルへの関心を少しだけ持たせる方向へ動かした作品です。

 物語は第二次世界大戦の場面から始まります。
 日本海軍に所属する主人公が壮烈な戦死を遂げたと思ったら、現代アイドルの肉体へ転生していたという、これだけで笑ってしまいそうなギャップ。
 もうこの時点で興味を鷲掴みにされることでしょう。

 その後も、戦前という時代と軍人としての価値観のまま、現代のアイドルの肉体に生まれ変わった主人公が引き起こす数々の勘違い系の言動に笑いを禁じえません。

 しかしそれだけではありません。
 海軍に関する知識や描写にも確かな裏付けがあることを伺わせる語り口は、歴史好き、あるいは軍事モノを好む方も唸らせるのではないでしょうか。

 そして何より、戦前の軍人の大和魂と現代アイドルの精神性は、実は裏で通じているのではないかと妙な仮説を立ててしまうほど、明らかに次元が異なるものであるはずの二つの要素が絶妙に絡まり合って妙味となっています。

 何より、ひっかかりを覚えることなく読み進められる洗練された文章が物語全体を下支えしています。

 アイドルや軍事ものに興味がない方でも、少し読めば物語の虜になってしまう。
 そんな魅力あふれる作品です。