希望の珠6 鬼の軍勢
陽子が天狗に化けて、空中で舞っている。
鬼のジャンプ力でぎりぎり届くか届かないかの高度。
■
突入前、富士山に向かう途中で陽子は里見に質問していた。
陽子「里見ちゃんは好きな人いるの?」
里見「いません。」
陽子「どんな人が好き?」
里見「考えた事もなくて」
陽子「男?女?」
里見「男」
■
陽子天狗が舞いながら上着を脱いでしまった。
女性らしい体形がはっきりとわかる薄着だ。
踊って乱れる姿勢からは当然西洋下着の類は見えず、
さりとて見えそうで見えない。
鬼は完全に妖狐に支配されている。
里見は若干の違和感を感じてはいるが、妖狐を見る余裕はない。
気付いていない鬼を捜すうちに妖狐より先行し始めた。
大量の鬼が走る地響きに気付いた鬼に走って近づく。
走りはいつの間にか素早い歩きに変わって、
金棒の間合いに入った時には隙の無い前進になる。
対峙する鬼の身構えが里見の型を決定する。
鬼が横振りのフェイントをかけると、
里見が同じく横振りで反応した。
鬼がもう一度金棒を振るって里見の金棒を狙う。
しかしいつの間にか里見の金棒突きが鬼の顎を捉えていた。
型による後の先。
鬼の間合い取りは百戦錬磨だったが、技は無かった。
里見はよろめく鬼に面を落とし、
背後の足音から逃げるように走り出す。
倒れる鬼の上を鬼の軍勢が踏みつけた。
鬼の数は増えるがもうほとんど増援がなくなってきた。
妖狐と里見は自然に進路を変えて東犬の方へ戻り始めた。
■
犬塚は丁寧に鬼を斬り殺して回っている。
全て倒しているので進みは遅い。
斬られた鬼の体が犬塚の死角に飛んで他の鬼の邪魔をする。
畳返しを応用して対多数戦に更に磨きがかかっていた。
次第に大きくなる鬼軍勢の足音に犬塚も近づいて行く。
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