ヒーロー8 無敵
里見がウミガメに駆け寄って声を掛ける。
里見「大丈夫?」
ウミガメ『だい、、じょ、ぶ』
カメは斬られて上半身と下半身に分断されている。前ヒレも無い。
見るからに瀕死。
里見「苦しい?介錯する?」
ウミガメ『お聞き、、なさい。私も乙姫も、この程度でしにません。』
そう言って目をつむる。
里見「ちょっと、、死んだ?」
言葉とは裏腹にウミガメは死んだ。
里見はお墓を作ってウミガメを埋めてあげた。
下半身があった場所に卵が落ちている。
拾い上げると動き始め、殻を割って赤ちゃんウミガメが出てきた。
赤ちゃんウミガメ『ほらね』
里見「生まれ変わった?」
赤ちゃんウミガメ『む?埋めた?』
里見「埋めた」
赤ちゃんウミガメ『まあよし。
食べれば大きくなるけど、しばらくこの大きさで。』
里見「乙姫は生きてる?」
赤ちゃんウミガメ『無敵です。私は亀姫、乙姫の妹です。』
里見「浜路里見と申します。」
亀姫『さっきの鬼は茨木童子。逃げる時にぬりかべの気配も感じました。』
里見「珠を欲しがってた」
亀姫『何の悪だくみか調べて退治しないと。』
里見「ひとまず家来る?」
■
犬神は里見の後方5kmほどの距離を保って、車で夜回りの護衛をしている。
堤防を走っていると突然、人が飛び出して来た。
フルブレーキで停止し、かろうじて事故を避ける。
車を降りて怪我が無いか聞こうとしたが、
こちらに背を向けて、おぼつかない足取り。
犬神「怪我は有りませんか?」
正面に回ると顔が無かった。
のっぺらぼう。
見た瞬間、視界が閉ざされた。
妙な感覚に自分の顔を触ると自分の顔ものっぺらぼうになっている。
「掛かったな」
後ろから首に衝撃が走る。
黒パーカー越しに斬りつけられたようだ。
追い打ちを掛けようとする者に車から飛び出した狛ちゃんロボが体当たりした。
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