ヒーロー編

ヒーロー フル装備

ある日のネーバ星でのこと。

犬塚が盗賊天使団のアジト洞窟に突入する。


盗賊天使団はビームサーベルを回収、略奪を繰り返した結果、

一般市民では対処できない位に大規模化していた。


犬塚は照明を点けずに一人で洞窟を進んでいく。

通訳護衛天使には考の珠を持たせて、

外で待機させた。


洞窟内の照明機器を村雨の霧で故障させ、

うろたえる見張り天使を暗闇の中で奇襲する。


犬塚は暗視サングラス、金剛力の木刀、弓矢、赤揃え甲冑を装備している。

犬神に譲るまで、地下大阪城の武器を長年使っていたのは犬塚だった。


突然の暗闇でとっさにビームサーベルを照明代わりにした天使、

忍び寄り一瞬で絞め落としてビームサーベルを回収する。

おせっかいで平和維持しているので無駄に殺したりはしない。


洞窟は原生地龍が使い捨てた簡単な構造で、

分岐は無くただ長い通路に横穴が点々と有り、最後に広い空洞があった。


横穴を物色しつつ、見張りを排除して行く。

最奥の大空洞に100人以上の天使が居た。


いざ決戦の時、

あえて破魔の笛を鳴らす。


一斉に注目を浴びる中、弓に矢を番えて天井までジャンプ。

上から放った矢が千本分裂し雨となって降り注いだ。


何人か反応の悪い天使が致命傷を負ったようだが、

ほとんどの天使が翼で身を守る。

浅く翼を貫通して負傷させる程度の威力。

おそらく何人か飛行不能にしただろう。


犬塚の着地を狙った天使のビーム砲が殺到する。

村雨の霧が威力を減衰させ、鎧に弾かれて火花が散った。


天使は飛べる。

縦横に展開し更にビームが殺到するが無意味だった。


相手が飛んだ事で余計に千本分裂の効率が良くなり、

ジャンプせずに弓矢で応戦して撃ち落とす。


活きのいい天使が徐々に距離を詰めて来た。

同士討ちを嫌い、次第に飛び道具の雨が止む。


大空洞唯一の出入口に立ちふさがる犬塚に天使が殺到した。

畳返しで出入口を更に狭くしたら途端に渋滞し、

人数差は意味がなくなった。


暗闇の中でいちいち影が差し、最前列の数人しか犬塚は視認出来ない。

一旦動き出した集団は押し合い、前進するしか無くなった天使達。


ある程度引いた所で戦闘不能の天使を投げて落石を起こし犬塚も前進する。

死なない程度に村雨で切り、木刀で吹き飛ばして暴れまわった。

あえて殺さなかった天使が邪魔になって混乱が広がっていく。


半殺しにされた盗賊天使たちは地獄に落ちたようだ。

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