移民

移民編 UFO

犬坂は今回の北海道、九州遠征について考えていた。


北海道に犬塚が行った場合、ドラゴンを討伐できただろうか。

ブレスを村雨で切っても火傷は負うだろう。

単発式のブレスは治癒機能でなんとかなるが、

放射式のブレスで無かったのが幸いだったかも。


最悪なのは翼、空を飛ばれたら毒霧をまくしかなかった。


結論、先制攻撃で決まる相手だった。

初手で背に乗るドラゴンライダー作戦を提案する必要があったかもしれない。


九州に犬神が行った場合、八岐大蛇を討伐できたか。

八対の目を欺いて先手は取れまい。

夜を待っても、蛇には熱探知器官がある。

いっそ自衛隊と共闘するか。


結論、噛みつかれてからが勝負か。

噛ませて一頭、護符で一頭。

あと六頭。巨大化、千本の矢を使っても分が悪い。


最初から巨大化し複数頭に噛みつかせて自身に護符を使う作戦を提案するか。

護符の威力に任せて胴体に落雷か。


とにかく今回は相性が良かったと言えそうだ。

おまけに珠は八つ揃った。


一連の陽動の首謀者はおそらく桜島に居る事は間違いない。

連戦連勝でとうとうたどり着いた黒幕。

浜路を誘拐する辺り、昔の生き残り妖怪と推測出来る。


伏姫も姿を消した。

黒幕の命運も尽きたか。



犬神は浜路救出作戦の犬塚、東犬とは別行動を取っている。

逃げる船虫を探していた。


桜島自然公園での戦闘が開始してすぐ、天狗と共に飛んで行く老婆、船虫。


犬神「飛んで逃げるか。乙姫追跡出来る?」


乙姫『任せなさい』


乙姫はまんまとUFOに乗り込んだ。

所有者不明の空き珠、犬影の忠の珠を咥えて。


乗り込んだ乙姫が忠の珠をUFO機内に隠す。

UFOは自動操縦なのか天狗も船虫も立って景色を見ているだけだった。

その景色はどんどん高度を上げ、宇宙空間に到達する。


乙姫『パネェな』


UFOは月の裏側に短距離ワープした。


一瞬見慣れない岩の星にギョッとするが、

UFOには360度に幾つもモニターがある。

まぶしい恒星と青い星を見つけておそらく月と予想した。

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