梅田迷宮編4 東洋と西洋

犬神が大阪城の地下天守閣に戻ると、

陰陽師犬坂毛野がコウモリの人形【ひとかた】を作っていた。


乙姫が犬坂に語り掛ける。


『何とかしてよ、どらえんもー』


「コーウーモーリーヒートーカーター」


「、、、冗談はさておき。

これに吸血鬼本体の拠点を追跡させます。

犬神さんは敵拠点が判明次第、討伐に向かって頂きます。」


「犬坂さんは行かないのですか?」


「陰陽師は引きこもる事で力を増します。

私は大阪城築城以来400年ほど引きこもってます。」


「通りで人使いが荒いと思った。」


「実は伏姫がもたらした武具を使う限り、あなたも不老です。」


「永遠に戦う運命なのか。」


「いいえ、いつ辞めても構いません。

武具を手放せば普通に老います。

それに負ければ死にます。


現状、生き続けているのは私と村雨剣士犬塚信乃だけです。」


「伏姫は?」


「姫は神さまです。無敵です。」


『私も神様です。無敵です。』


「ふーん」


「犬神さんは敵拠点が判明するまで待機で結構です。

突然の事でいろいろ考える事もあるでしょう。」


「河童討伐に向かっても?」


「良いでしょう」


『そんな装備で大丈夫か?』


「一番いいのを頼む」


『では武器庫へ』


犬神は武器庫へ向かった。



梅田の黒スーツ吸血鬼はUSJの城を拠点としていた。

名をタルナーダ【竜巻】と言う。


数人のUSJクルーを配下にしてある。


城の隠し部屋でノートパソコンを開いた。


南港から河童をさらった黒スーツ吸血鬼、

ヴィールヒ【疾風】にメールを送る。


『例の河童スレイヤーを梅田で発見。雷神は同行してなかった。

地下で始末に失敗。尾行の結果、やはり大阪城が拠点の模様。


河童スレイヤーは超音波でコウモリを妨害し、

心臓に杭打ちを狙ってきた。

腕力は我々以上、防具にも爪が効かない。

殺害は困難。

梅田に数体の吸血河童を置いて様子を見る。


始末の必要があるならば、応援を求む。』

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