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 今日は部活帰りにそのままの足で陽向の部活の演奏会があってそれに誘われていたので行った。

 最初目的の場所がどこにあるのか見当がつかなくて駅を出ては見たが分からなかった。携帯のナビを使って場所を検索してようやく見つけ出せた。

 僕の部活の状況を考えると理解できるとは思うが、あまり道なりを進んでいるというよりは脇道に逸れて行ったり来たりしているようなそんな感じで演奏会中も完全に頭が演奏会とはなっておらず部活のことに逸れたりまた違ったことに逸れたりと演奏している側に申し訳ないことをしてしまっていた。

 内容としては陽向を中心として知っているメンバー(同学年の人は大体知っている)をずっと目で追っていて仕組まれているのではないかと思われるくらい席で真っ直ぐ向いていたら陽向が見える位置にいておおよそは顔を動かさずただ前を見ているような状況だった。所々音が裏返ってしまったりしているなとか思ったが、緊張とか色んな思いからでそうなってしまっていて聞いている側にまでそれが感じられていいものであったと思っている。また陽向のソロのパートがひとつではなくてそこが面白かったなと思った。

 終わって帰るところで陽向のママがこちらに来て一言二言話をしてからまた戻っていった。普通に帰ろうとそのあと暫くしてからホールを出たら陽向のママが追い付いてそこからは一緒にいた。出口を出たら出口渋滞になっていて早めに出てきたのに列を追っていったら再びホールへと戻った。

 今日は塾がこのあとあったので再び学校の方面へと帰ったのだがその電車ではずっと陽向のママと一緒にいて陽向のことを中心に話をしながら帰った。

 塾が終わって出てくると陽向がいてサプライズだったのだが来てくれてありがとうというお礼をしに来たとのことだった。自分のなかでは特に何かをしたという思いはなかったので驚きである。そこから二人で暫く話をしていた。実際これが結構長くて三十分くらいはしていたのではないかと思う。そういう一時が幸せなのである。

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