第216話 ダニエラ編 Ⅰ
「ただいまぁ!」
私は
なにしろ、今日から……って言うか、これまでもだけど。
ここは
いつもは「こんばんわ、失礼致します」だったのよ。だけど……だけど、今日からは「ただいまぁ」よっ!
だって、ここは
――スタン
「ダニエラさん、お帰りなさいませ」
うんうん、リーティア。ちゃんとご挨拶が出来てますねっ。
って言うか、あなた、なぜそこでテレビ見ながら、
もー、これだから今時の若い
……って、毎回思うのだけど、この
よく
そう言えば、美穂様から台所への出入りを禁止されていたのよねぇ。
……ふぅ。
仕方がありませんね。
「ダニー、しごおわ、おつー」
「あっ、あぁ、お……つー」
「たははは。ダニーさぁ、それ言うなら、おつあり、っしょ。マジ、ダニー
「ハハハ……
あぁ、
そう言えば、
「えーっとぉ、さっき
あぁ、そう言う事ね。
美穂様は、かなりオープンな性格だからねぇ。
もう、
でも、何か引っかかるわね。
「
と言いかけた所で、
「にやー」
「にやーじゃないでしょっ!」
どどどっ! どうして
何?
それに
って言うか、そんな事より、リーティアっ! リーティアは何をしていたの?
私は物凄い形相でリーティアを睨み付けたの。
えぇ、そうよ。この場に
「えへへへ、ダニエラさん、すみません。もう、私が来た時には、すっかりこの調子でぇ……」
何? その態度はっ?! 全く反省して無いのかしら? って言うか、何をもう
マズいのよ。獣人がこの家に居るなんて事が、世間様にバレたら、とんでもない事になるのよっ!
「リリリ、リーティア。あなたっ、この状況がどう言う事か、分かっているのかしら?」
「はい。大丈夫ですよ。
何? その
意味分かってるの? 本当に
「いやいや、そう言う話では無くてね」
「だってー、本当に仲良しになったんですよねぇ、
「「ねー!」」
コラコラコラ。
何を二人で声を合わせているの? 練習してたの? その話のくだり、練習してたって事なの?
あぁ……なんだか頭痛がするわ。はぁぁぁ。
まぁ、
後で
大丈夫。
何しろ、県内でもトップクラスの高校に首席で合格しているのよ。
まぁ、私の家庭教師の腕が良かった……って言うのは、もちろん成功要因の第一位だとは思うのだけど。
彼女も、あんな
――カシャ
「って
「はぇ? この
「ややや、
「……送信っと!」
「はぁぁぁ。
はぁぁぁ。ヤバいわっ!
とにかくラボの方に連絡して、インスタぐらいなら侵入できるわよねっ。
それで、画像を削除させるのよっ!
場合によっては、全世界にウィルスをばら撒く事になるかもしれないわね。
あぁ、確か新種のウィルスを開発したって聞いていたわ。早速アレを試す時が来た様ねっ!
大丈夫。ダニエラ、大丈夫よ。インスタの写真一枚ぐらい、直ぐに無かった事にして見せるわ。
私を誰だと思っているの? ダニエラよっ。歴代最年少で大司教に上り詰めた、ダニエラ=ロサーノなのよっ!
あわてて、ルブタンのバッグから携帯を取り出そうとする私。
「ほら、ほらぁ。ダニーちゃん見て、見てぇ。こんなに『いいね』もらったよぉ
視界に入る彼女の携帯には、ハートマークの隣にとんでもない数字が。
「はぁぁぁ、終わった……」
今時の女子高生の
もう無理。絶対に止められない。
「でもさぁ、やっぱ外国の人って、コスプレめっちゃ
はぁぁ。
だって本物なんだもの。本物の獣人なんだものぉ……。
でも、あれ?
「……コスプレ?」
「うん。そう、コスプレ。最近の魔法少女系のコスプレっしょ? ウチの妹も
……あぁぁ。そう言う事。そう言う事ね。
そうよね。本物だなんて、誰も思わないわよね。コスプレよね。絶対コスプレにしか見えないわよね。
何しろ、
ふぅぅぅ。やるわね。クールジャパン。
もともと日本って国は、エルフに対して
「はは、ハハハハ……」
私は乾いた笑いを浮かべながら、携帯片手に、その場に座り込んでしまったの。
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