4月20日(火) 広島市中区堺町にある立ち呑み店「串かつ 寅卯」で飲んで食べる。
広島市中区堺町にある立ち呑み店「串かつ 寅卯」で飲んで食べる。
よく言われるのが、喋る前の第一印象はすこぶる神経質で気難しそう、それから、話すと柔らかい物腰、そして十五年以上前に言われたのは、口を開くと台無しになるよ。
「串かつ 寅卯」さん大好き。月に一度の会社全体の夕礼のあとに寄った。
表面が明るい人に神経質でネガティブな性格は多く、無愛想な人ほど本物の無神経による楽観主義の人がいる。自分は後者で、人に良くしよう、という努力がないせいか、最も好きな話題は自分の体調だ。今日は頭が痛い、腹の調子が良くない、目がかゆい、すこし寝不足気味、そんな調子だ。
そこで夜の口癖は、今日は早く寝る。その言葉を十回は繰り返し、その通り寝るのは十日に一度もない。
要するに言動の一致しない輩らしい。そんな人物でも、今日は冴えないらしく、眼精疲労からくる偏頭痛に苛まれて、目を開けるのも一苦労だった。もちろん自分の体調というのは数倍に盛って話す。
そんな状態で「串かつ 寅卯」さんへ行き、山縣の冷酒によっぱらい赤えびを注文する。最近食べた中華の余韻をもろに受けてだ。それにこの料理は、「寅卯」さんを紹介してくれた人が美味しいと勧めてくれて、以前に食べた品でもある。
ちゃんと頭と身の殻を向き、手をぐしょぐしょにしながらコップの酒を飲み、海老を食べる。最近食べた中華色と異なり、ニンニクの香りを持ちながらも、より生らしい風味となっている。そして身を食べ終えてから、やはり殻を食べるのだが、今日は遠慮して頭と尾だけにしておいた。
次に串揚げ5種のおまかせを注文して、日本酒の匂いを嗅ごうと鼻から吸い込むと、いかんせん、海老汁のたっぷりついたコップは非常に海老臭い。
チーズを熱々と食べ、キスにほくほく感動し、生とは異なる海老の味を噛み砕き、ナスにとろけ、紅ショウガで口を締める。
要するに何が言いたいかというと、今日という短くない一日を過ごしたあとの「寅卯」さんは、気だるい体調を一瞬で吹き飛ばす優しい価格の料理と美味しさがあって、30分にも満たない滞在ながら、12時間経た心身の生臭をふっとばしてしまった。もはや今日の雇われ仕事は過去のものとして放り投げたのだ。
そんなハッピーな気分で家に帰る。だから「寅卯」さんが好き。そして「ももや」さんも好き。
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