3月27日(土) 広島市中区本通にあるパブ&バー「PUB and BAR PIC」で飲む。

広島市中区本通にあるパブ&バー「PUB and BAR PIC」で飲む。


インスタグラムで気になっていたボリビアのお酒がなかったとしても、行こうと思っていた「PUB and BAR PIC」さんに足を運んだ。


チリやメキシコなら連想できるが、ボリビアとなると酒のイメージがまったく湧かず、それは実際に訪れたことのない国だとしても、崖から転落するような危険な山道を高速で走る印象が強いので、マスカットらしい蒸留酒だと聞いてもピンとこない。


とはいえ言われるとおりマスカットの香りふくよかな酒はとても澄んでいて、熟成とは異なる新鮮な風味が強く宿っている。


それから目の前にあることに気づかずにいた養命酒を作っている会社のジンを飲ませてもらうと、普段飲まないどころか店でも口にしていなかったジンの世界の入り口に立つことになる。広島なら中国醸造の桜尾ジンのイメージはあるが、コップ一杯のビールで顔が真っ赤になる酒の飲めない父親の唯一の愛飲酒であり、遺伝と環境によって自分も踏襲するように一時期飲んでいた養命酒、の会社によるクラフトジンはクロモジがすこぶる香り高い。しかしその香りは実のところ判別つかず、カンファーやシダーウッドを好ましく感じる自分の嗅覚は、落葉樹と針葉樹の鼻利きが混在しており、クロモジに針と脂をイメージしてしまう。すると質問さえ的外れになるが、肝心な香りに対して敏感に好印象を持つのは事実であって、樽と熟成とは異なるボタニカルフレーバーのフィールドを新しく知ることになる。


それは「mitosaya 薬草園蒸留所」のブランデーで話は膨らんで、本屋から転向した酒の作り手に広がり、イチゴやヤマモモで醸造された蒸留酒を飲めば、これまた熟成とは異なる香りの世界に恍惚とする。そこに知識と発展の実地が示されれば、アイデアの具現化はより舌を刺激して、心も体も若い気分となる。


そんな体験をさせてくれるのが「PUB and BAR PIC」さんだ。広島は広いから他にも酒を飲ませてくれる店はあるが、自分にとって樽とピートは「ももや」さんになり、香りづけは「pic」さんになるのだろう。


アロマは気分を陶酔させてくれる。蒸留酒は強い風味で気分をおしゃれにしてくれるわけではないが、これら香り高い格調の品質は、度数の低い酒にはまとえない身だしなみが常時備わっている。

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