3月27日(土) 広島市南区的場町にある世界の料理に刺激を受けたサンドイッチを主に今は提供する朝から開店するカフェ「あかいはりねずみ」でランチする。

広島市南区的場町にある世界の料理に刺激を受けたサンドイッチを主に今は提供する朝から開店するカフェ「Cafe Igel/あかいはりねずみ」でランチする。


昼過ぎに東区民文化センターへ行く用事があったので、仕事ぶりを拝見しに「Cafe Igel/あかいはりねずみ」へ行った。


今は4席の店内にタイミング良く座ると、常日頃豊富な情報を発信し続ける方が正面にいた。テレビで観る芸能人とは異なるが、一日の流れをなんとなく知れる人を前にすると、すこしばかりメディアと現実の差を感じるような気がした。ただ変わらないのは、とても元気そうな姿だった。


数日前に寸胴一杯のザリガニを散らかす映画を観たので、ケイジャンシュリンプサンドを食べた。頭があがらないくらい毎朝のパンを食べさせてもらっていても、店で食べるとやはりすこし違ってくる。自宅のオーブンで冷凍から焼いて食べることの多いチャバタは表面がかりっとする印象があり、職場での15時の間食で口にする時は湿っていても、今日食べるパンよりは水気がいくぶん薄れている。


サンドイッチで食べると柔らかい食感だった。これは日頃と比べるとやや生々しく感じる質感で、その中にケイジャンらしいスパイシーなエビとポテトが含まれており、紫の野菜も色合いがよい。サンドイッチそのものはそれほど大きくなく、男なら2個食べて十分になる量だが、今日はスープがある。フェジョアーダは豆がたっぷり入っていて、「グリュックスシュバイン」さんのベーコンがとてもシンプルに味付けしており、そこに豆のうまみも加わり、多くない量だからこその良い味となっていた。


セットでコーヒーを注文すると、「バッグタウンコーヒー」さんのブレンドはすっきりした味となっている。やや薄いと思われるかもしれないが、おいしいコーヒー特有の透明感があり、後味にキャラメルのような風味もあるので、濁りやえぐみは微塵も感じられない。


こうして来てみると、量も値段も手頃で、気軽に来れる店だ。ラインナップも常時変わり続けているので、一品で完全に満足するよりも、すこし足りないからこそ他のサンドイッチも食べたくなる。それにこの量とそこらにない味のスープは、もっと近所にあればと惜しくなる。


そんな店の店主が毎日家にいるのだから不思議になる。厚かましさとしつこさはとても惜しい気持ちにならないが、家とは異なるプライベートではない空間で接すると、やや他人行儀なところがおもしろい。


この店は洗練された料理ではないが、他にないアイデアがあり、なにより女将に味がある。なんて他の人から思われているのかもしれない。

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