3月6日(土) 広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで山下耕作監督の「関の彌太ッペ」を観る。

広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで山下耕作監督の「関の彌太ッペ」を観る。


1963年(昭和38年) 東映(京都) 89分 カラー 35mm


監督:山下耕作

原作:長谷川伸

脚色:成澤昌茂

撮影:古谷伸

音楽:木下忠司

美術:桂長四郎

照明:井上孝二

録音:津野裕男

編集:宮本信太郎

出演:中村錦之介、木村功、十朱幸代、上木三津子、大坂志郎、夏川静江、銀太郎、鳳八千代、遠藤辰雄、岡村佐代子


仁義を重んじる時代劇となっていた。やや録音が大きく色の濃いカラーの画面には気っ風の良い中村錦之介さんが登場して、前半から話は大きく動き出し、すっかり解決してこのまま終わっても差し障りのない展開となる。今月は広島ゆかりの映画人特集となっており、二枚目の顔立ちがどうも軽い印象となる木村功さんが登場すると、なかなか堂に入った渡世人の演技となっている。


軽はずみな人斬り後に、違った金に手を着けない律儀な面を見せて好感を得るのだが、やはり持っている役者の性質にうってつけと思わせてしまう乱心を起こす。ここは時代劇らしい面の入れ替わりとなり、激しい立ち回りでも共闘していた兄貴と弟は、恋に狂って義理を欠いた道理の果てとなってしまう。木村功さんのこの浮ついた点こそがどうも憎めず、弟分のような小僧っ子の役に板がついてしまうのだろう。


難しい物語ではなく、派手な人情劇をそのまま楽しめる作品とあり、胸の内を隠したまま面子を保つ我慢の所作に、どんな国でも粋な人は口数は多くないのだと知れる映画だった。

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