2月13日(土) 広島市中区榎町にある鮪専門料理店「彩々たなか」でまかない丼を食べる。
広島市中区榎町にある鮪専門料理店「彩々たなか」でまかない丼を食べる。
隔週土曜の十日市探訪も行き詰まりをみせている。お好み焼き屋を含めてすべての飲食店を訪れ尽くしたわけではないが、ぱっと頭に思い浮かぶ足をのばしたことのない店が少なくなった。天満川を渡るか、それとも100m道路を越えて探すか、考えた結果、口に合った店に行くことにした。
二週間前に訪れた焼肉店も好みだが、「彩々たなか」さんのマグロの味も忘れたことはなかった。コロナウィルスが流行する前に訪れて以来のマグロは、やはり量が多く、感慨深かった。
前回は漬け丼にしたので、今回はまかない丼を注文した。マグロの色々な部位が入っており、筋のあるのやら、まっさらな赤やら、厚いのやら薄いのやら、ミンチにされたものやら、二十切れ近い刺身が丼を埋め尽くしている。
この店に入れば築地という字が目に入り、浅草三社祭の半纏や東海道五十三次も飾られ、富士の写真もところどころでその誉れを見せている。
町田は江戸ではなく、あくまで相模に届かない多摩の田舎だから、味噌汁を“おみおつけ”とは言わなかったが、具沢山の白味噌の甘い豆腐の汁をすすると、数え切れないほど口にした実家の味噌汁を思い出す。酢飯は甘く、醤油も甘く、鮮度が良いので部位によってはわさびを必要としない脂のマグロも加わって、いくぶん古めかしい重さを感じる。このあたりから「名代富士そば」の味がなぜか思い出されるのは、小さい頃に苦手としていた酢飯や刺身が古い印象と結びついて更新されていないからだろう。
望郷の念はないが、味は昔を思い出させる。お値打ちのマグロ丼を食べにまた来よう。
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