2月6日(土) 広島市中区三川町にあるギャラリーたむらで「木村繁之展」を観る。

広島市中区三川町にあるギャラリーたむらで「木村 繁之 展──絵と彫刻──」を観る。


訪ねるのは今日で二回目となる「ギャラリーたむら」さんは、今回も彫刻が展示されていた。前回の印象も含めるとこれだけで彫刻に特化したギャラリーと思いそうになるところだが、そんなことはないだろう。


とはいえ絵画とは異なり、質量を持ったシルエットの持つ空間における表現の質は前回と似ていて、小顔の人物像がくり抜かれた木彫はセンシティブな雰囲気を持っている。杉のような軽さを持った木材が使われていて、ペンキらしき塗料の残る濃い木肌もあり、もしかすると廃材などのように身近にある木が使われているのかもしれないと考えた。


作品名がそのまま造形と符合するように直截な表現力があり、一つ一つから感情へそのまま伝わる物語が備わっている。一見しただけでも見応えはあるが、色使いや木地の細かい点に目を向ければ、シルエットだけでない物体から多くの印象が引き起こされるだろう。


ポーズはやはり横顔に向いてしまう。膝を曲げてまるで四股でも踏むように手を膝にのせ、顔をできる限り近づけて何度も横顔を凝視する。それぞれに思いが寄せられ、情操を豊かに揺らしてくれる作品ばかりだ。

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