1月31日(日) 広島市中区中町にある醸し料理店「醸 はせべ」で飲んで食べる。
広島市中区中町にある醸し料理店「醸 はせべ」で飲んで食べる。
夕方、家に帰ってSNSを開くと、営業されていると知ったので、「醸 はせべ」さんへ行った。
一応報告までに妻へメールしておき、店内のカウンターで一人座っていると突然やってくる。どうやら返信していたらしく、気づかなかった携帯電話を見ると、たしかにメールがある。仮に自分が来なくても、一人で静かに飲む予定だったらしい。
ヒレ酒をまず注文すると、最近別の店で味わったよりもヒレの質が巨魁だ。そもそも注ぐ酒の濃さが異なり、ほんのりと染み込むよりも、腕っぷしのよい快男児が風呂に浸かってたっぷり湯浴みするように、風味が強烈に走っている。
裏漉しされた濃厚な粕汁を一飲みして、テイクアウトとは異なる作り手の温もった威力をくらう。酒粕が丸い月のように籠もった印象を与えており、あらためて凄い腕前に舌は思い知る。
ここからは一品一品ではなく、一つ一つの素材を噛みしめて味わう。もし自分一人ならばしわい頼み方で時間を過ごしていただろうが、隣にいる人が辟易するほど欲深いので、ヨコワまぐろ刺、落花生味噌、漬盛、ブリ煮、水餃子、出汁巻卵を食べながら、竹鶴の濁り、写真を撮り忘れた竹鶴の秘傳、そして玉櫻を飲んでいく。
炙られたまぐろの脂の色っぽいこと、ゴーヤ漬けの人参の表情の豊かなこと、落花生味噌の材料の驚くべき統一感、水餃子の出汁の透明感、出汁巻卵の油の柔らかさも加えて、短距離走で酔っぱらいながらやはり店で飲んで食べる贅沢を噛みしめる。
そして酔えば制限ばかりかける自分は、枠を外し、予定を崩し、おせっかいな発言の隣につい汚い言葉を使ってしまい、あとあと反省する。体調などは理由にせず、いつもおおらかな懐でもって、笑い飛ばしたいと思う。
なにはともあれ、「醸 はせべ」さんは本当に美味しい。
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