前のエピソード――１月１７日（日）広島市中区上八丁堀にあるギャラリーGで「Gセレクション　土井紀子　Imprinted Phenomena」を観る。

広島市中区八丁堀にある立ち呑み店「そらや」で飲んで食べる。

半日家にいれば腐る。年末年始に感じたことを今日も体感した。

昼過ぎに外へ出て、ギャラリーに行って、「そらや」さんに来た。

天穏の熱燗を注文して、体を動かすには足りない朝からのパン一個を補うべく炭水化物のポテサラに、赤なまこもお願いする。

目が見えない、体がじっとしない、頭の働きが予想外に弱い。こんな時は、なまこになりたい、などとは思わない。くにゃくにゃ動いて、ラジオで釣りの上手な社長さんが言っていたような、「タコはとても頭のよい生き物ですよ」を証明するように鍵のかかったクーラーボックスの中から触手を伸ばして逃亡したくなるが、とてもなまこじゃ無理だろう。９個の脳味噌を持つ軟体に比べれば、１個でもあればもうけもののもぞもぞした体は、何もなすすべがない。

それでも弾力は負けない。こりこりした磯の香りををたくさん噛んで会計を済ませ、タイミングを逃していた方に本年のご挨拶を交わし、意味不明な捨てぜりふのような反応だけの言葉を置いて店を出る。

なまこにはなりたくないが、意味のわからないこの時の様は、まさになまこ同然だった。