1月11日(月) 広島市西区横川新町にあるコジマホールディングス西区民文化センターで「桂鯛蔵の落語を聴く会・広島編〈4〉」を観る。
広島市西区横川新町にあるコジマホールディングス西区民文化センターで「桂鯛蔵の落語を聴く会・広島編〈4〉」を観る。
牛ほめ
河豚鍋
仲入り
蔵丁稚
西区民文化センターでの落語も中止が続いていたので、桂鯛蔵さんの落語会も中止になるのかと思い三日前に連絡したら、なんとやるとのことだった。
そんなわけで人の出入りの少ない西区民文化センターで落語を聴いた。畳部屋の大広間はそれほど人は多くなく、この人数なら映像文化ライブラリーのほうが観客は多いので、休日の街のフランチャイズカフェに比べればリスクは少ないからもっと公演があればいいのにと思ってしまう。
目力の強い鯛蔵さんは飄々としているが、演じ分けはやはり商売としての噺家さんとあってしっかりしている。不要不急と在宅時間の自虐はさすが落語家らしく、正面切って頑張っているところを見せずに笑いへ落とすが、そこにからっとならないやや不気味なところがあるからこそ、おもしろい。
三原の小学校での公演で子供たちの飛ばす紙飛行機の映像が感動を浮かばせるマクラのあとに、「牛ほめ」となる。落語らしい形式を持ったうろ覚えによる間違えがおかしいやりとりは、腰を落ち着かせるよりも、そそっかしさが前に出ていた。
続いて、大阪でなぜフグが昔から食べられていて、鉄砲と呼ばれているかの解説のあとに「河豚鍋」となる。てっちりをいかに先に食べさせるかのやりとりがおかしく、死につながる深刻な出来事を笑いにおとす大阪人の気質がよく表れており、くいだおれの街という形容をまさに思い出す噺だった。
中入り後の「蔵丁稚」は芸好き丁稚の歌舞伎の物真似が板についており、あたりまえに演じる上手さをそのまま疑問に思わずに観過ごしてしまいそうになる。落語の中で歌舞伎の芸が混ぜられると、独特の調和によって特に面白く発現されて、ついつい知った気になって笑ってしまう。
昼過ぎの落語はやはり眠くなる我慢の時間帯はあるが、生の噺が与える情感は特別なものだ。次は5月か、もしくは8月か。未来はもちろんわからないが、次に来る時をまた楽しみにおいておこう。
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