12月10日(木) 広島市中区十日市町にあるライブカフェ「音楽喫茶ヲルガン座」で飲んで食べる。
広島市中区十日市町にあるライブカフェ「音楽喫茶ヲルガン座」で飲んで食べる。
コンサートのあとに初めて会う人と食事へ行くのは、PMFオーケストラでゲルギエフさんがマーラーの交響曲第7番を指揮した以来で、フェドセーエフさんが広島に来るのはやはりそれくらい珍しいことなのだろう。
焦がし焼きそばを狙っていた人もいたが店は加古町からすこしばかり離れるので、知り合うきっかけになったという今はなき十日市アパートの上階にある「音楽喫茶ヲルガン座」へ行くことになったのは、たまたまとはいえ機縁を感じてしまう。
店に入れば、まだ自分が坊主頭の時に会った方が働いていて、数年で変貌した者もいれば変わらない場所もあると、今日は働いていないこの店の人達の顔も浮かんでしまう。
週の半ばの疲れはひどく肉を欲し、同時に甘物への欲もはなはだ強い。滅多に注文しないパフェを初めて食べ、一緒にレミーマルタンのロックを飲む。この釣り合うようで合わない組み合わせにがぜん元気になり、油の焦げた香りが鼻に漂えば、焼きそばをつい注文してしまう。しかしそれはないらしく、どうやらパッタイとのこと。
追加もレミーマルタンを注文して、香るパッタイを食べる。初めてこの店で口にしたが、ナンプラーの甘辛さに桜エビは芳しく、ほんとうに美味しい。焦がし焼きそばのかわりに締めのパッタイとなり、あとあとに注文が逆算するようだと店の方に述べられると、たしかにおかしい。
コンサートのあとに人と食事へ行く気持ちの向きが以前とは異なる自分にある。それは髪型ではなく、パフェやパッタイとのレミーマルタンのようにおかしいようでおかしくなく、今は稀が稀でない自分になったのだと自覚する。
変わらないようで変わっていく。それが一つの成長だと、今年を振りかえりがちな隣の人の隣で考えてしまった。
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