11月15日(日) 広島市中区大手町にあるL Galleryで「開廊記念 ─Hello! I am L Gallery ─」を観る。
広島市中区大手町にあるL Galleryで「『開廊記念 ─Hello! I am L Gallery ─』─モノクロームの寓話─」を観る。
「シャムロック」さんで手に取ったポストカードで知った「L Gallery」は、それを忘れたので場所がわからなかった。スマホがあればすぐに調べられるが、それを持たない自分はエディオン1階のアップルコーナーで調べ、場所を把握する。
「ラピスギャラリー」で版画の味わいを思い出すように、26日まで展示される釣谷幸輝さんの銅板と木版画は特別な質感を持っていた。近頃観た色々なギャラリーでの展示作品に比べても格別に高い技量を持ち、表現力と存在感は目をみはるものがあった。一つ一つ作品に異なった質感が備わっており、銅板ならば非常に微細なグラデーションが空気感を作り、木版ならば明瞭な線によって形象が浮かび上がり、どちらも様々なインスピレーションを生み出す深い陰影の刺激がじっと座っていた。
魚や馬などがあり、それほど大きくない枠内に実に見事な遠近と立体感が生み出されていて、釣谷さんと少し話をする機会があったので技法を説明してもらうと、刃先の広い道具からはおよそ考えられない細密な表面が生み出されていて、繊細極まる銅板を見て納得も理解もし難いほどだった。
寓意を持った絵から古い西洋の作品や地域に夢が連想されて、ルドンの好きな自分は、疑いなく版画作品が嫌いではないとみせられた。フランドルの怪物のような目玉もあり、小さい存在の中にいかな深奥があるかと、蝋燭の明かりや、睡魔の中の明滅のように、固まった画面の中に空気は常に移ろいでいるようだ。
非常に見応えのある、近頃観た美術作品の中でも感嘆するほどの展示会だった。
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