10月31日(土) 広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで神山征二郎監督の「ハチ公物語」を観る。
広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで神山征二郎監督の「ハチ公物語」を観る。
1987年(昭和62年) 東急グループ、三井物産、松竹グループ 107分 カラー 35mm
監督:神山征二郎
原作・脚本:新藤兼人
音楽:林哲司
撮影:姫田真佐久
美術:西岡善信、藤原和彦
録音:紅谷愃一
照明:佐藤幸郎
編集:近藤光雄
出演:仲代達矢、八千草薫、柳葉敏郎、石野真子、浦辺粂子、尾美としのり、春川ますみ、山城新伍、山本圭、殿山泰司、加藤嘉、井川比佐志
渋谷のハチ公の銅像と大雑把な物語は知っているが、その具体的な内容と仲代達矢さんを観るべく足を運んでみると、正直映画としての起伏は平坦で、いかに撮影が大変だったやら、動物愛護の観点ならば、などのよけいなことを考えてばかりいた。
ハチ公の可愛らしさと仲代さんのやりとりに顔が和らいだり、ハチ公のムービングショットと他の犬の振り返りなど、ところどころ良いと思われるカットはあるが、犬を主人公にすることでいかに表現するかという制限と難しさが課題にされるようで、終盤のやせ細った姿などは今の時勢ならば動物虐待なんて言われそうなのは、「セーラー服を脱がさないで」がラジオで流されれば、児童ポルノと自粛される風潮を最近感じたからだろう。
亡くなった人を死ぬまで駅で待つだけ。犬の忠誠心が常に亡き飼い主の先生を無駄に待つのは、他人からすれば無駄だからこそ尊いものに思えてくるのは継続が命だから。そこに主人に仕えて奉公する武家社会の思想と、追って自害する美学なども考えてしまえば、ややこしくなってしまう。
映画の良し悪しを抜きにして、銅像にまで意志が形骸化したハチ公のそのままを飲み込みたいと、制作側の想いを複雑に感じ取りたい作品だった。
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