10月20日(火) 広島市中区三川町にある居酒屋「いぶしぎん」で飲んで食べる。

広島市中区三川町にある居酒屋「いぶしぎん」で飲んで食べる。


「酒楽処 しん」でカウンターを同じにした人は「いぶしぎん」に寄ってきたばかりらしく、やっぱ頼りになる地ぐ酒ぐのスタンプカードが会話の通行証となるのは「そらや」さんでもあったことだ。趣味を同じにする人との出会いを求めるのならば、今が旬らしい。


口コミに従って「いぶしぎん」さんにくると、店名と異なり柔らかい雰囲気がある。常温と燗で埼玉の力士を飲み比べしている間に、選べるお通しは先に鯛のカルパッチョがくる。続いて塩にまみれた鯛のカブト焼きが立派で、まるでエンゼルフィッシュのよう。鯛の鯛もわからないくらい骨を噛み砕いてむしゃぶりついていると、株式会社釜屋さんの生酛の純米吟醸もあるらしく、釜屋新八という落語や講談に登場しそうな名前のそれを注文すると、これも常温と燗で飲み比べさせてもらえる。口当たりに明るい酸味があり、燗となると旨味はくわっとあがってくる。


店の方々はとても親しみやすく、帰り際に「落語はお好きですか」と訊かれれば「嫌いじゃないですが……」などと逸らすことはせず、「はい、好きです」とその言葉に食いつくと、南区民文化センターで行われる寄席を教えてもらう。どうやら、以前この店で働いていた方も高座に上るらしい。


1部2部の説明で、場合によっては居残りという言葉もあり、このあと寄る予定のうどん屋さんの話になれば、向こうの席にいた地ぐ酒ぐさんも加わり、想像は膨らむばかり。


時うどんにはならないだろうが、ここでも口コミを得て笑顔で店をあとにする。

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