9月19日(土) 広島市中区榎町にある居酒屋「酒処 じゃんご 榎町」で飲んで食べる。

広島市中区榎町にある居酒屋「酒処 じゃんご 榎町」で飲んで食べる。


水曜の代休から飲酒を断っていたので、エクアドル以来の知り合いの再会を酒と共に楽しみにしていた。


泊まる宿が土橋というので、噂で聞いていた「最強の居酒屋」に登場していた料理人さんの味をここ最近知ったので、そんな強者達の集った「酒処 じゃんご 榎町」へ初めて訪れた。


映画を観てから自転車を飛ばし、変わらないというよりも、むしろ若返ったように見える10歳近く若く離れた海外経験豊富な旅人は大きく、イランのヤズドのドミトリーで交わした恋愛話や、アルメニアのエレバンでマーラーの交響曲に民族の迫害の類似を感じたあとの偶然のロビーや、エクアドルでのJICA隊員との交流などが思い出された。久しぶりに会ってわかったのは、旅行や社会についての話をできる人は少なく、やはり類は友を呼ぶという形で妻とつながり、今こうして広島で会っているのだ。


なるべく口数少なくいようと思う最近だが、つい会話が楽しく、日本酒を飲みながら、突き出しの枝豆を瞬時に空にし、いぶりがっこのポテトサラダを我がもののようにたくさん箸でつかみ、トマトスライスも飲み干すように食べた。とにかく酒と食べ物に飢えていて、数年ぶりに食べたレバ刺しのおいしさに顔をゆがめ、きゅうりをぽりつき、チキン南蛮にかぶりつき、牛も豚も区別せず、炙られたのか焼かれたか見分けもつかず目に前にあるまま肉を食べる。


リバウンドとはこういう事だろう。味わうよりも腹におさめることを主眼として口もまわし、胃腸を休めるための二日分をすぐに取り戻した。飲み始めが遅かったので、まだまだ酒も会話も足りないところだが、それぞれ次の日もあるということで、2件目を探すことなく閉店時間を過ぎてすんなり帰ることになる。


神経は舌にあっても、言葉を出すことばかり気が向いていた。もっと味わって食べるべきなんて思いもするが、そもそもこうして人と楽しく飲み交わすのが居酒屋だから、間違ったことではないのだろう。いくつもの食べ物と共に集中して過ごした時間は、さらなる付き合いへと欲をかきたてるもので、もっと人に出会いたいと心変わりした珍しい自分を確認するようで、旅行してもしなくても、発見を得る為の行動基本は変わらないのだろう。

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