9月12日(土) 広島市中区袋町にあるギャラリー718で「田中左知男 絵画展 ~光の行方~」を観る。

広島市中区袋町にあるギャラリー718で「田中左知男 絵画展 ~光の行方~」を観る。


先月訪れて教えてもらった絵画展に足を運んだ。


叙情と余韻の刻みのような細かい輪郭線と淡い水彩で描かれた御手洗の町並みもいいが、光の粉砕のような油彩画に自分の好みは傾いた。煌びやかに反照する「minamo」という作品群の色彩感は先月に観たとおりで、大きい作品には飛び込んでしまいそうな透明感と多分な光量が溢れていて、様々な濃さ淡さに優しい自然色に惹かれる本能の欲が引き出された。最も目に飛び込んできたのは、アクションペインティングのような数多の色彩を持った「SPARK」という作品で、ポストカードの顔にもなっているこの油彩画は厚塗りの黄色が前面に放たれ、宝石に至る前の原石に通ずる地殻変動と変化が画面のなかで炸裂している。


一品一品の作品の質は研ぎ澄まされたもので、水彩も油彩もそれぞれに特徴が分かれている。知ると昔はパリにいたらしく、その頃の人物画も自分は気になるものだった。冊子には過去の作品が掲載されていて、作風の変化を知ると画家個人の変遷も気になってしまう。ファイリングされた作品も見せてもらい、それらのスケッチはより身近な実感を持った作品が多く、どんな素描があるのかと、これまたないものを考えてしまった。


ちょっと足を運んで得る刺激にしては強すぎて、もっとじっくり観て、ましな写真を撮っておけばとあとあと後悔してしまった。

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