8月16日(日) 広島市中区本通にあるハンバーガー店「EFFE」でハンバーガーを食べる。
広島市中区本通にあるハンバーガー店「EFFE」でハンバーガーを食べる。
肉の焼ける香りに誘われて、新しくできた店に入った。
昨日に食べたハンバーガーの連鎖反応だろう、バンズも中身も異なる肉食好みのバーガーだ。
一面のみを赤く塗られた壁はメニュー表の色と呼応しており、それが肉のイメージと赤ワインを欲しがらせる。黒いイスと壁面のマッチングもよく、反対の壁に細い鏡の一枚張りがあり、そこにも帯の赤が反射して、スタイリッシュながら気楽に酒を好ませるカジュアルな調子があるのは、木枠の効果だろう。
バンズは控えめで、ソースを口にした舌ではもはや見えなくなってしまったが、近くのパン屋さんが焼いているようで、堅くならないふんわりした生地と表面のつやが、ほがらかに肉を支えている。ソースはペッパーの中にトマトなどの甘みがコク一杯に詰まり、かちっと固まるのではなく、密度にゆとりを持たせた脂の旨味を持った肉はミディアムで、疑いない肉を味わわせてくれる。バンズの裏には青海苔らしい風味の細かい緑が白いソースと散らされ、グリルされたタマネギスライスの甘みも大きな存在感としてレタスに合わさり、肉とうまく調和している。そして昨日の車麩カツバーガーでも同様なのだが、礼儀作法に乗っ取る上品な振る舞いの人物が汚い言葉を吐くような味わいとでもいうのか、手で持って思いきりかぶりつく食べ方というのは、昨日とあるキッチンのカウンターで隣をした人と「幸せの黄色いハンカチ」での高倉健さんの魅力が話題になり、出所後にビールを貪るように飲む演出について小話をして、ふと、あのような飲み方は、耐えに耐えた欲求の発動として、その時話題にあがった湿気を持ったエロスという要素を含んでいると思い込んでしまうように、野蛮とも下品ともとれる口のまわり一杯に肉汁とソースをつける心地良さがあるだろう。その実感はヴィーガンやベジタリアンではやや乏しく、肉であるからこそ食いちぎるように食べたくなる。
普段はそれほど牛肉を食べないので味はわからないが、素直な感想として、とてもおいしいハンバーガーだった。そして味の比較として頭に浮かんだのが近くにある黒毛和牛のお店で、内装や説明書きを含めた店の見せ方がやや通ずるところがあると無意識に感じていたら、どうもその店で声をかけてくれた男性らしき人がマスクをしながら同じように声をかけてくれたので、愛嬌のある女性店員さんに訊ねてみると、同じ系列とのことだった。どうりで肉の味が似ていると思ったら、などと、確信のない知ったかぶりをしてしまう。
セットのポテトもあり、今はソフトドリンクは200円と安く、ワインも500円とある。クラフトビールもあるが、この価格はこの立地では良心的で、手作りのメニュー書きや、余計な金をかけずに細かいところは自分達の手で済ませるところに好感が持てた。
近くの黒毛和牛の店はなにより店員さんの笑顔が印象的だったので、おそらく同じオーナーさんなら、この店も好ましい店となるだろう。それに、中途半端でない、たしかな風味の素材で組み合わされたバーガーなのだから。
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