8月15日(土) 広島市中区紙屋町にあるカフェ「喫茶さえき」で飲んで食べる。
広島市中区紙屋町にあるカフェ「喫茶さえき」で飲んで食べる。
そういえば以前待ち合わせして、入れなかったカフェがあったので行ってみた。
スウィーツを食べようと思っていたが、もう17時前だったので、車麩カツバーガーを注文した。
メニュー表には提携している農園や店がデザイン良く紹介されていて、あまり知らないが聞いたことのあるところも載っている。昭和らしい喫茶店の特徴を残した店内は壁面を縁取る木材の色に格調があり、出窓のデザインや壁の白も趣があるものの、イスやテーブルは足先の細く明るい色で、北欧家具らしい現在の潮流が調和している。オーガニックやヴィーガンの料理が多く、店の中央には自分の働く会社で見たことのあるオーサワの商品がある。すると、梱包する自分の姿と化粧箱の耐久性と厚みも浮かんでしまう。箱が潰れないように、どのように詰めるか。
バンズは「おへそカフェ」さんのパンらしく、やはり雇われている会社で売り出しているパンの味を想起させる小麦ふすまによる生地の粗さがあるものの、酸味が強くあり、これだけで食べても悪くないが、何かと合わせると個性ある味わいがうまく素材となじむだろう。車麩カツは、これまた仕事中に梱包することのある食材が中にあり、カツは衣が厚くジューシーで、緑の野菜と味噌の混じっていそうなソースと合わさってとても食べ応えがある。
健康食品の卸売りで働いているせいもあるか、オーガニックやヴィーガンにはとくに新しさを覚えず、むしろ慣れきった苦笑いが出てしまう。それでも、そのあたりの知識は詳しくない。それこそ興味のない仕事に対するあくまでも仕事の姿勢なのだろう。
コンセプチュアル・アートという言葉を今朝読んだ本に目にしたが、ヴィーガンやオーガニックも、自分のような子供の時のアトピーやアレルギーなどの体の要望に応えての必然や、千年を超える培われてきた戒律は遺伝子同様に組み込まれ、当然あるべきアイデンティティーとして離すことに疑いなど持たない人々もあり、自己の存在に見合った生きるうえでのコンセプトとして新しく信奉する人もいるのだろうと考えてしまう。それが良いとか悪いとか考えるまでもなく、そばつゆさえ飲まない指揮者のブロムシュテットのように融通しない生活スタイルを持って健康に長生きしている人もいるので、制約の中で意志を曲げずに生きることは一目するところがある。それがファッションから始まったとしても、そこに人を納得させる習慣があり、感嘆させる継続があるなら、それは前に先立つコンセプトではなく、人間らしい豊かな思想の体現になるだろう。
人それぞれ生き方があるのはやはりおもしろいことで、特に決めず、今日はブリトー、それが腹に響いたからうどん、前から気になっていた店だからサンマのランチ、そんな感じでその時々の状態の流れで自分を選んでいくことをコンセプトとして持っているわけではないが、今が最重要として幅広い中から好きなことを選ぶ自由を選択しているのも、一つの生き方なのだろう。
そんなことを考えつつ、少し足りないので酒も頼む。非常に癖のある、まるでビタミンドリンクのような後味を感じる醍醐のしずくだ。
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